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北朝鮮では国家的な記念日があるたびに、「忠誠の歌の集い」というものが開かれる。全国各地の行政機関や国営企業などが、職員とその家族による合唱団を結成し、地域単位でコンクールを開催。勝ち上がったチームが、晴れて平壌の大ステージに立つのだ。

そして、特に重要なのが2月16日の「光明星節(故金正日総書記の生誕記念日)」を祝うための忠誠の歌の集いだ。平壌公演に進出できればたいへんな名誉であるだけでなく、立身出世にも良い影響が期待できる。

しかし近年、この神聖な催しに、一部で異変が表れている。今年の催しについてはまだ情報がないので、昨年の例を見てみよう。

平安北道(ピョンアンブクト)のデイリーNK内部情報筋は、朝鮮労働党鉄山(チョルサン)郡委員会(郡党)が開いた忠誠の歌の集いを巡り、不満が噴出していると伝えた。

鉄山郡党は毎年、幹部の家族から若くてきれいな女性ばかりを選んで参加させるという、「官選ミスコン」状態になっているのだ。

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そして遂に、選に漏れた幹部の間からこんな不満が飛び出した。

「党が開催する歌の集いは容貌が大切なのではなく、厳粛な空気で歌を歌い忠誠を誓うものなのに、始まりから間違っている」
「忠誠心にも美貌が必要なのか」

自分の妻の容姿が「基準」に満たず、選考から落とされたことで、プライドに傷がついたと怒る幹部もいる。また、妻の欲求不満から夫婦げんかに発展し、家庭内が冷戦状態となるケースもあると、情報筋は伝える。

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北朝鮮ではこの手のイベントが開かれるたびに、参加者を巡って様々なトラブルが起きたり、不正行為が横行したりするが、今回の場合は、女性を「飾り物」程度に扱う、旧態依然とした北朝鮮権力層のジェンダー観が反映された現象だと言えよう。