北朝鮮の犯罪容疑者が続々と脱出する「国境の穴場」

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北朝鮮北部の都市、恵山(ヘサン)で先月、窃盗容疑で逮捕され取り調べを受けていた男性が脱走する事件が起きた。当局は、男性を指名手配して行方を追っている。

両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋によると、20代男性のキム氏は、窃盗容疑で逮捕され、労働教化刑(懲役刑)の判決を受けて服役していたが、刑務所幹部にワイロを渡し、病気になったことにして保釈された。

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北朝鮮の教化所(刑務所)は人権侵害の温床として国際社会から批判されているが、地獄の沙汰も金次第で、ワイロさえ渡せば強制労働免除、減刑、保釈など、特別扱いが期待できるのが現状だ。

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保釈期間中に彼は、放浪生活を送りつつ、犯行を繰り返していた。恵山市安全部(警察署)に再び逮捕され、取り調べを受けていたが、その最中の先月中旬、監視の緩んだ隙を見て脱走した。

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当然のことながら安全部は大騒ぎとなり、指名手配するに至った。住所不定、職業不詳であることから、行方を追うのが難しいと判断したようだ。デイリーNK編集部が入手した手配書にはキム氏の顔写真、生年月日、身長、髪型、容貌などが詳細に記載されている。

キム氏は、チェック柄の耳あて、北朝鮮で人気の「チンソン」ブランドのカーキ色の中綿のジャケット、黒いズボン、先の尖った黒い服用の靴を着用していたと伝えられている。

このキム氏だが、家族は全員脱北して韓国で暮らしており、本人も脱北した前科がある。そのことから安全部は、彼が国境を流れる鴨緑江を越えて中国に逃げ込んだ可能性が高いと見ている。つまり、逮捕が難しいということだ。

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犯罪容疑者が脱北する事例は、恵山市で去年だけでも複数回起きており、市民は当たり前のように考えている。その一方、当局が今回の事例を口実にして統制を強化し、緊張感を高めようとしているのではないかと勘繰る見方もある。

また、「ワイロを受け取って保釈したことそのものが問題だろう」と、当局を批判する人もいる。

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