北朝鮮の中古ケータイを米韓が買い集め? 当局が密輸組織を摘発

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日本においては、携帯電話を名義変更せずに第三者に譲渡することは、携帯電話不正利用防止法で禁止されている。振り込め詐欺などの重大な犯罪に利用されるおそれがあるためで、違反すれば2年以下の懲役、300万円以下の罰金刑となる。

北朝鮮に同様の法律があるかは不明だが、何の気なしに故障した携帯電話を他人に販売した若者が、スパイ容疑で逮捕されてしまった。話はそれにとどまらない。咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

清津(チョンジン)に住むAさんは12月中旬、使っていた携帯電話が故障したため、修理をしに携帯電話奉仕所(販売店)に持参した。しかし、修理費があまりにも高かったため、諦めて帰宅することにした。

その途中で、ある男性から「携帯電話を売ってくれないか」と持ちかけられ、50ドル(約7270円)で売り払った。北朝鮮ではごく当たり前のことだ。ところが、年明けにAさんは、反社会主義・非社会主義連合指揮部により逮捕され、身柄を保衛部(秘密警察)に送られることになってしまった。スパイ容疑をかけられてしまったのだ。

スパイ容疑で有罪となれば、死刑になりかねない。

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単に携帯電話を売っただけなのに、なぜスパイにされてしまったのか。その理由は、携帯電話に挿入されているSIMカードにある。

咸鏡北道保衛局は昨年末、奉仕所の職員から故障した携帯電話やSIMカードを横流ししてもらったり、奉仕所周辺で携帯電話を持っている人から買い取り、外国に売っていたグループを逮捕した。北朝鮮国民の個人情報が入っているSIMカードを外国に売り払った行為は、当局の最も嫌う国内情報の国外流出とみなされたようだ。

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このグループは携帯電話やSIMカードの行き先が、韓国や米国であることを知りつつ、買い取りを行っていたという。

これが本当なら、実に興味深いことだ。SIMカードには一般的に、携帯電話番号や電話帳、回線契約に関わる情報などが記録されているが、おそらく北朝鮮も同様だろう。使われなくなったSIMカードを米韓の情報機関が大量に集め、記録情報を復元できれば、北朝鮮の内部動向を把握するために何らかの役に立つということだろうか。

もちろん、「米韓に流れている」というのは、北朝鮮の人々の単なる思い込みである可能性もある。

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いずれにせよ、小銭稼ぎのため電話帳を海外に売り飛ばしただけで公開銃殺されてしまうのが北朝鮮だ。こうした行為を、当局が見逃すはずもない。

(参考記事:変わらぬ北朝鮮、6人銃殺。理由は「電話帳を売ろうとしたから」

咸鏡北道保衛局は、各家庭にあるすべての電化製品に対して、監視の対象とすべしとして、人民班(町内会)や市場に警戒して監視することを指示した。

保衛局幹部は「わが国(北朝鮮)の電化製品は世界的にブランド力もなく、(技術的に)立ち遅れているのに、それをなぜ外国人が買い取るのか。連中(韓国、米国)の謀略にきまっていると」と、ある意味で客観的かつ的確な推理を述べていたという。