中国の瀋陽などで脱北者22人が検挙された事件は、北朝鮮の国家安全保衛部と中国公安の合作であることが分かった。
在中脱北者情報に詳しい中国の消息筋は17日、デイリーNKとの通話で「8日に延吉から瀋陽に脱北者10人が移動したが、出発時から中国公安と保衛部の監視・追跡を受けていた。瀋陽到着後、脱北者らがバスに乗ろうとした際に検挙された」と話した。
この消息筋によると、瀋陽から昆明まで脱北者らを引率したブローカーが保衛部と公安による逮捕の危険を認知し、延吉から瀋陽区間のブローカーに瀋陽のバスターミナルの危険性を伝えようとしたが、伝える事が出来なかったという。
保衛部は、瀋陽で合流する予定の別グループの脱北者を検挙するために、逮捕された脱北者らを脅迫して電話をかけさせ、位置追跡を行って親戚の家などで待機していた脱北者6人を追加で逮捕した。
今回の脱北は、特定の宗教や団体とは関係がなく、多くの脱北者の韓国行きを支援してきた朝鮮族ブローカーのキムさんが推進したという。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面この消息筋によると、12日にも長春で3人の脱北者たちが逮捕され、同日に瀋陽でも追加で3人が逮捕された。現在22人の脱北者が公安に逮捕されており、瀋陽で調査を受けているという。
逮捕された脱北者の中には、17歳未満の青少年6人など、家族連れで逮捕されている
昨年9月にも、瀋陽で中国公安と保衛部の合同作戦によって19人の脱北者が逮捕されていり。この当時、事件が明るみになると北朝鮮人権団体、外交通商部も救助努力を繰り広げたが、脱北者らは北送された。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面今後、保衛部と中国公安の脱北者逮捕はさらに強化されると思われる。消息筋は「1月に脱北者をより強力に摘発する様に、各地方の公安に指令が下されている」と伝えた。
今回の事件と関連し、朴槿恵セヌリダン代表は中国の胡錦濤・国家主席に書簡を送り、強制送還への懸念を示した。外交部は中国政府側に事実関係の確認と人道的処理を要求さした。
これと関連し消息筋は 「今のところ、具体的な情報はないが、中国政府も、この問題を懸念しているようだ」と述べ、これまでとは違った雰囲気があると伝えている。