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朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の総政治局は今年、軍人の家族の生活態度に問題があるとして、その実例をあげつらった資料を配布し、違反者を処罰するとして取り締まってきた。

デイリーNKの軍内部情報筋によると、総政治局は各軍種、兵種の司令部付の政治部に対して「2022年全軍家族指導課総合報告総和資料ならびに2023年事業報告」というタイトルの文書を送付し、軍人家族の反社会主義、非社会主義(風紀紊乱行為)に対する闘争を強く推し進めることを強調した。

この文書には、反社会主義、非社会主義行為の具体例が記されている。まず挙げられたのは、「軍人家族の女性の美風良俗の阻害現象」だ。

韓国と接する軍事境界線の警備を担当する第2軍団の軍人の家族の女性の中には、こんな「けしからん行為」をする者がいるとあげつらった。

○義理の両親に半ズボン姿で接する
○派手だったりスケスケの服で部隊に出入りする

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当局は1970年代から、女性が制服以外のズボンを履くことを禁止。2000年代以降は解禁と禁止を繰り返している。同時に派手な格好も禁止している。いずれも韓国など外国の影響を受けたもので、非道徳的という理由からだ。特にジーンズとミニスカートは目の敵にされてきた。

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軍人の妻たちももちろん、そうした環境で育ってきたわけで、権力が何を嫌うかは百も承知だろう。それにもかかわらず軍当局が警告を発したのは、若い世代の妻たちの行動が「やり過ぎ」と見なされたということだ。

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他にも次のような「軍機紊乱行為」が挙げられた。

○若い軍人家族の妻が、子ども産もうとしない
○「少しでも若い時に市場で生活基盤を築かなければならないから」と夫に早期除隊を勧める

晩婚化と非婚化、少子化は北朝鮮でも深刻だとされており、それは軍人も変わらないようだ。「革命的に恋愛、結婚し、革命的な家庭を築く」ことを国民に求める北朝鮮にとっては、けしからん行為なのだ。ましてや、商行為が禁じられている軍人が、商売で儲けようと軍人を辞めるなどとはもってのほかなのだ。

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各部隊の政治部家族指導課は、軍人家族の女性の思想的変質を厳しく取り締まってこそ、夫である軍人が戦争の準備に寄与できると教育してはいるものの、若い軍人の妻たちは、「さっさと除隊すればいいのに」と考えているとのことだ。