氷点下30度にまで気温が低下している北朝鮮で、全国的に金正日の誕生日行事の準備を行なっている。金正日が死亡して初めて迎える誕生日の為、偶像化行事も一段と増えた。
全国規模での金正日回顧会、永世塔の建設が進められており、天然石に金正日を称賛する文字を刻む偶像化作業も実施され、住民の負担と不満が高まっている。唯でさえ苦しい住民の生活が追い詰められるようで、心苦しい。
労働新聞は10日、平安南道の甑山郡の石多山の天然岩に金正日を称賛する「不世出の愛国者金正日将軍」という文を刻む竣工式を行ったと報道した。同紙は、千万軍民の不変の信念を込めて刻んだ文字の全長は120mで、金正日という文字は縦10m、幅5.5m、深さが1.4mと紹介した。
続いて「岩盤を切り出し、土を掘り、道路工事を短期間でやり遂げた」と報じ、必要な資材や設備を自己解決したと紹介した。工事期間も2ヶ月間の短縮を行ったと明かした。中央からの基本的な物資供給が行われず、無理な方法で達成した結果であるということは十分に推察出来る。
ろくに食べる事も出来ず、雪が降る寒い冬空の下で厳冬に耐えながら文字を刻んだ住民を思うと、筆者の体が芯から寒くなるほどだ。まともな機材のない北朝鮮では、ハンマーと石切だけで文字を刻んでいる。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面たった一本の命綱に頼って行われる作業は基本的な安全装置がない為に、事故で命を落とす人が少なくない。脱北者のクォン・ヨンチョルさんは「白頭山の正日峰の建設突撃隊に参加した党員突撃隊の鳶職人部隊では、文字を刻む際に発生した事故で死亡した人がいる」と語った。
北朝鮮は宣伝媒体を通じいて、一文字の長さや幅を細かに説明しているが、事故で犠牲になった人物らの記録は発表していない。保証を行ったとしても、愛国烈士証を与える程度だろう。
金日成、金正日父子を称賛している文は、全国390カ所、約2万字に達する。金剛山だけでも60ヶ所、4500字が刻まれている。文字一つの大きさは数mから数塾に達し、深さも1m以上になる。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面代表的な文字は、北朝鮮が金正日の出生地と宣伝している両江道三池淵郡白頭山密営にある正日峰であり、ここは1988年11月に60トンの花崗岩6つに文字を刻んで絶壁に設置してある。
北朝鮮が宣伝する「白頭の名将を千年万年に渡って高く奉じて仕えようとする千万軍民の不変の信念を込めた文字である」と言うのは事実とは異なり、住民は強制的に工事に追いやられているのが現実である。
苦しい生活を強いられている住民らは、今日も胸に怒りを刻みこんでいる事だろう。