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ニューヨークに本部を置く国際人権団体「ヒューマン·ライツ·ウォッチ」は今月初め、新型コロナウイルスの世界的流行に際し、より悪化した北朝鮮の人権状況を調査分析した報告書「銃弾より強い恐怖;北朝鮮の閉鎖(A Sense of Terror Stronger than a Bullet:The Closing of North Korea)2018-2023」を公開した。

この期間、北朝鮮は防疫対策を理由に人々に対する統制を強化。2020年12月には韓流など外部情報を取り締まる「反動思想文化排撃法」を制定して違反者に厳罰を下した経緯についても報告書は触れている。

デイリーNK内部情報筋によると、南浦(ナムポ)市の臥牛島(ワウド)の閘門(カンムン)第1高等中学校の少年会館で2年ほど前、2年生の女子生徒をはじめ男女6人に対する公開裁判が行われた。容疑は、「韓国映画を見た」というものだった。

手錠をはめられた状態で壇上に引き立てられてきた6人は、両親、同級生が見守る中で裁判にかけられた。情報筋によれば、「顔は骨と皮だけにやつれ、フラフラで立っているのがやっとだった」。人権を無視した強引な取り調べを受けた様子がありありと見て取れたということだ。

通常、未成年の場合は少年教養所(少年院)で1年間の労働教養を受けることになっているが、今回の6人に対しては、5年の労働教化刑が下された。つまり、成人同様に、教化所(刑務所)送りになるということだ。

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2020年12月4日の最高人民会議常任委員会第14期第12回総会で採択された「反動的思想文化排撃法」は27条で、韓国の音楽や映像コンテンツなどを「流入、流布した者は、5年以上10年以下の労働教化刑に処す」と定めている。同法に関しては、未成年であっても成人と同じ量刑が課され得るということだ。

(参考記事:北朝鮮の15歳少女「見せしめ強制体験」の生々しい場面

青少年は流行に敏感であるだけに、同法に引っかかって摘発される事例も多い。北朝鮮当局もそのことに危機感を抱き、一部で適用を緩和しているとされるが、その対象は有力者の子どもたちに限られている可能性もある。

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だが、北朝鮮も日韓などと同様、少子化が進行している。そんな中でこうした無茶苦茶な取締りを行うのは、自ら国を亡ぼす行為に等しいと言えるだろう。