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米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は1日、北朝鮮当局が韓国式言葉遣いを一掃するとして携帯電話で「ファイティング(頑張れ)」というメールをやり取りする若者の取り締まりに乗り出したと伝えた。

平安北道(ピョンアンプクト)のある消息筋はRFAに対し、「反動思想文化排撃法の制定後、司法当局が街頭で不意に若者らの携帯電話を検閲し、南朝鮮(韓国)の映画やドラマのファイルがあるかどうかを取り締まったことはあるが、通報文(メール)の内容を全て検閲したのは初めて」と伝えた。

北朝鮮の最高人民会議常任委員会は2020年12月4日の第14期第12回総会で、反動思想文化排撃法を採択した。主として韓流を取り締まる同法に違反した者に対する最高刑は死刑だ。

もっとも、こうした「言葉狩り」はメールを検閲する以外の方法で、すでに行われている。たとえば平安南道(ピョンアンナムド)の成川(ソンチョン)郡の社会主義愛国青年同盟は、韓国風の言葉遣いをしている青年同盟のメンバーの名前を紙に書いて出すという、密告方式を取っている。成川機械工場では女性5人、男性3人の名前が挙げられ、8人は工場内の会館で思想闘争会議の舞台に立たされた。つまり、吊し上げに遭ったということだ。

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8人は、ボーイフレンドを「ナムチン」、ガールフレンドを「ヨチン」と呼ぶ韓国式の言葉を使ったとして自己批判をさせられた上に、様々な人から次々に批判の言葉を浴びせかけられる辱めを受けた。

平安北道(ピョンアンブクト)の情報筋は、龍川(リョンチョン)郡の工場と農場でも同様の取り締まりが行われたと伝えた。

辰興(チヌン)労働者区の灌漑管理所では、男性の同僚を「オッパ」と呼んだ女性、ガールフレンドに「チャギヤ」と呼びかけた男性、韓国風のヘアスタイルをしていた女性など、5人が見せしめとして厳しい批判にさらされた。

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北朝鮮当局は2000年代初頭から、「若者の風紀が乱れている」として、この手の取り締まりを繰り返し行っているが、根絶やしにできたどころか、むしろ広がっている。

韓流に対抗するには、北朝鮮独自のおしゃれでカッコいいコンテンツを量産、普及する以外に方法がないが、当局はむしろ「青年教養保障法」を制定、締め付けを強化することで、対抗しようと躍起になっている。

しかし、退屈な思想教育や、政治臭がプンプンする当局公認のコンテンツは、若者はもちろん、多くの北朝鮮の人々からそっぽを向かれている。当局の悪あがきは、もはや手遅れなのだ。