韓国では核安保サミット(3月)、総選挙(4月)、大統領選挙(12月)などを控えて、北朝鮮によるサイバーテロの可能性に懸念が高まっている。

これまで北朝鮮は、2009年に「7.7 DDos」や2011年にも「3.4DDoS」などのサイバーテロを敢行し、国家基幹施設のホームページや関連サービスを麻痺させた。とくに、昨年4月には農協電算網をハッキングし、インターネットバンキングと農協ATMサービスを麻痺させる「物理力」まで行使した。北朝鮮のサイバーテロが韓国民の生活に直接的な被害を与えるレベルまで上がったわけだ。

このような状況下で安保専門家らは、北朝鮮が核安保サミットの期間に「農協事態」のようなサイバーテロを敢行する可能性に警鐘を鳴らしている。特に、「スタックスネット(Stuxnet)」のようにオフラインで直接的な影響を及ぼす悪性コードに注意すべきだと指摘した。

スタックスネットは、2010年にイランの遠心分離機1000台余りの稼動を停止させた新種の悪性コードであり、国家インフラの制御システムに感染させることで知られている。専門家でさえもスタックスネットの攻撃方法が誰によって、どのようなルートを通じているのか、正確な把握が容易でない。

安哲秀(アン・チョルス)研究所の悪性コード専門家はデイリーNKとの通話で、「スタックスネットはインフラの管理プログラムを主なターゲットとして感染させる悪性コードであり、担当職員らのUSBを介して転移することが知られている。国内で感染した事例はないが、悪性コードにより信号システム麻痺や停電など国家インフラの麻痺をもたらしうる」と説明した。

各国の首脳が集まる核安保サミットの期間、インフラに「スタックスネット」のような方式のサイバーテロを受けた場合、停電・信号システムの麻痺、出入国システムの麻痺などにより会議自体が取り消される可能性もある。

また、北朝鮮が核安保サミットの開催日に前後して、仁川国際空港一帯にGPS妨害電波を発射する可能性があるという憂慮も出ている。会議に出席する50カ国の首脳たちは、ほとんど専用機やチャーター便で入国する予定であるため、世界の首脳たちの安全が北朝鮮によって脅かされる可能性があるということだ。

これとともに韓国の総選挙、大統領選挙期間には、北朝鮮がポータルサイトやSNSなどのオンラインを通じて虚偽事実を流布し、対北支援に友好的な政治勢力を間接的に支援するとの見方も提起されている。

治安政策研究所安保対策室のユ・ドンリョル先任研究官は、7日に開かれた「サイバー空間と国家安保」というセミナーで、「(総選挙、大統領選挙を控え)北朝鮮の統一戦線部サイバー戦担当部署はいわゆる「リプライチーム」を運用し、韓国のポータルサイトなどに捏造した情報や世論、デマや悪質な言葉を拡散させ、国論の分裂を引き起こすだろう」と述べた。

北朝鮮のサイバー宣伝戦は、総選挙と大統領選挙を前にして強まるものと予想される。北朝鮮は宣伝戦を強化して韓国内の葛藤を引き起こすとともに、従北勢力の政治的基盤を強化する契機として活用する可能性が大きい。最近、北朝鮮が対内外メディアを通じて選挙に関連する対南宣伝を増やしているのと同様の流れだ。

専門家らも北朝鮮が総選挙・大統領選挙の期間、サイバー空間を介して世論を操作する形の「サイバーテロ」も敢行する可能性が高いと診断している。