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韓国統一省によると、今年1月から9月までに韓国に入国した脱北者は139人で、昨年同期(42人)の3倍以上だ。韓国政府当局者は、「北朝鮮の国境封鎖が緩み、体制統制が深刻化しただけに、今後、脱北者の入国者はさらに増えるものと見ている」と明らかにした。

とはいえ、コロナ前の2019年までは年間1000人を超えていた。今後、韓国に入国する脱北者が増えるとしても、その水準まで戻るかは微妙だ。金正恩政権は国境の警戒を格段に強めており、脱北自体が難しくなっているのだ。

それでも、脱北のニュースはしばしば伝えられている。1年ほど前には中国国境に面した両江道(リャンガンド)で女性2人が行方不明になったと、現地のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

三池淵(サムジヨン)市の新武城洞(シンムソンドン)で、トゥルチュク(クロマメノキの実)を取っていた20代女性2人が、忽然と姿を消した。それから10日以上経ったが、行方は全くわからず、地元の安全部(警察署)と保衛部(秘密警察)が、家族、同僚などを対象に事情聴取を行なったという。

金正恩総書記とその一族にとって「革命の聖地」である三池淵は、国を挙げての再開発工事で、新築の建物が立ち並ぶニュータウンへと変貌を遂げた。しかし、気候は夏でも清涼で、農業に適していない。コロナ防疫体制下では厳しい移動統制が敷かれ、深刻な食糧不足が伝えられていた。

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(参考記事:北朝鮮「骨と皮だけの女性兵士」が走った禁断の行為

新武城洞では住民の8割が絶糧世帯(食べ物が底をついた世帯)となり、秋の収穫後に返済する条件で、食糧を借りて生き延びている人が多かった。

2人は空腹に耐えかねて、トゥルチュク採集を口実に、脱北したのではないかと噂されている。

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三池淵市の新築マンションには、成分(身分)の良い人が入居し、食糧配給も正常に行われていると言われてきたが、それは市内中心部に限られ、郊外の住民には一切配給がなく、極貧生活を余儀なくされている。