北朝鮮国営の朝鮮中央通信は13日、パレスチナの過激派組織ハマスがイスラエルへの攻撃で北朝鮮製兵器を使用したとの報道を否定したうえで、この衝突で「戦略的敗北」を喫するのは米国だと主張する個人名の論評を配信した。
米政府系のラジオ・フリー・アジアは9日、軍事専門家の分析として、ハマスが北朝鮮製兵器を使用している可能性があると報じ、パレスチナ戦闘員の映像に北朝鮮から供給されたとみられるロケット推進榴弾が映っていたと伝えた。
国際問題評論家リ・グァンソン氏の名義による論評は、「今回の事態勃発の根源がパレスチナ領土を不法に占領し、パレスチナ人の利益を無残に蹂躙してきた同盟国を公然と庇護し、最も反動的な対中東政策を追求してきた米国にあるというのが、国際社会が下した結論」だと主張。
そのうえで「米行政府の御用メディア団体とえせ専門家は、イスラエルに対する攻撃に『北朝鮮製兵器』が使用されたようだという根拠のない自作のデマ」を飛ばすのは、「中東事態の責任を第3者に転嫁して、悪の帝国に注がれた国際的非難の焦点を回避しようとする」ものだと決めつけた。
また、「ウクライナ事態に続いて、米国に巨大な戦略的負担として登場した中東事態は、同盟国およびパートナー国家との関係強化で『規則に基づく世界秩序』を樹立するというアメリカ式覇権戦略の限界点として、より暗たんとなる『唯一超大国』の将来を如実にさらけ出した決定的契機となった」と指摘。続けて「現中東事態は、米国が甘受すべき新たな戦略的敗北の序幕にすぎない」と主張した。