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北朝鮮の国家非常防疫司令部は8月26日、「世界的な悪性伝染病拡散状況が緩和することを踏まえて防疫等級を調整することにした国家非常防疫司令部の決定に従って、海外滞在中のわが公民の帰国が承認」すると発表した。

これに伴い、中国で足止めされていた留学生や貿易会社の駐在員などの帰国が始まるとともに、中国公安当局に逮捕・勾留されていた脱北者の強制送還も始まった。

韓国のNGO、北韓人権情報センターは、中国の収容施設にいる脱北者は600人から2000人に上るとの見方を示しているが、それ以上の数が強制送還されたと、北朝鮮の人権問題に取り組む団体が主張している。

(参考記事:中国、脱北者500人を北朝鮮に強制送還

韓国の聯合ニュースは、北韓正義連帯のチョン・ペドロ代表の話として、9日午後8時ごろに吉林省の琿春、図們、長白、遼寧省の丹東を通じて、脱北者600人が北朝鮮に強制送還されたと報じた。

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中国当局は8月末、北朝鮮との合意に基づき、2台のバスを使って90人の強制送還を皮切りに、秘密裏に脱北者を送還していたが、杭州で開かれていたアジア競技大会の終了後に、600人の送還を行い、中国で勾留されていた2600人の強制送還が完了したと、チョン代表は述べた。また、韓国のキリスト日報によると、一部地域では北朝鮮の保衛部(秘密警察)が中国側に行って、送還を指揮した。

その中には、中国人の夫を持つ女性もいて、強制送還の直前に「送還されれば今後どうなるかわからないので、子どもたちを頼みます」とのメッセージを送ってきたとのことだ。

中国当局は、自国民と結婚して子どもを持って暮らしている脱北女性について、登録と引き換えに滞在を黙認しているが、他の違法行為が認められた場合には逮捕・勾留の上、北朝鮮に強制送還される。上述の女性が強制送還に至った経緯は明らかになっていない。

(参考記事:中国当局「人口対策」で脱北女性たちの残留を容認

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この件について、韓国統一省の金暎浩長官は、国会の外交統一委員会で、「引き続き事実関係を確認している」「アジア競技大会後にこのような事態が起きることを予想していた」「様々な外交チャンネルを使って、中国に脱北民の強制送還は絶対にいけないという立場を複数回伝えた」と述べた。情報機関の国家情報院も「確認中」としている。