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金正日の死後、北朝鮮の朝鮮中央TVに李春姫(リ・チュンヒ)アナウンサーの後任として、20代の女子アナが登場し関心を集めている。

この女子アナは美人な顔立ちと、比較的物静かな語り口が特徴で、李春姫とは対照的で好感度が急上昇中だ。

一部では、金正日時代には李春姫が看板アナだったなら、金正恩時代はこの女子アナが看板アナになるとも言われている。

指導者に褒められれば「看板アナ」の座をゲット!

元朝鮮中央TVの職員のチャン・ヘソン(1996年に入国)さんによると、「朝鮮中央TVのアナウンサーになるには、針の穴ほど狭き門を突破しなければならない」という。

朝鮮中央放送のTV放送員は約20名。ラジオ放送員は100人程だが、年次と功績が多く、やはり「出身成分(身分)」が良い事が、看板アナウンサーの条件である。

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「看板アナ以外は、行政職、地方放送などの他部門の仕事もしなければならない。もし、金正日氏から一言でも褒められると、出世街道に乗ったも同然。視聴率や世論調査がないこともあって、金正日氏の評価の言葉が全てだ」(チャン氏)

実際、李春姫氏も金正日氏が「放送が上手い」と賞賛したことから、指導者に関する「1号ニュース」を最も多く放送する「1号放送員」となった。既に、定年を越えているが今でも現役バリバリのアナウンサーとして大活躍中だ。

アナウンサーの登竜門「全国話術大会」

朝鮮中央のTV放送員になるには、まず「平壌演劇映画大学放送科」を卒業後、「全国話術大会」というスピーチコンテストで入賞しなければならない。

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同学校の卒業生は、毎年10人足らず。この中から、テレビ放送員として育成訓練を受けるのは約半分の5人ほどだ。実力と身分がものをいう。

「全国話術大会」から、アナウンサーを目指す場合もあるが、競争率はさらに熾烈だ。毎年、150人余りが参加するこの大会は、地方放送の放送員、軍隊放送の「人民軍放送員」、対南工作放送を担当している「対南放送要員」たちと競争しなければならない。

大会で勝ち抜くには、自作の原稿でスピーチし、人民大衆を感動させることが絶対条件だ。

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審査団は「宣伝扇動部」「朝鮮中央放送局関係者」「芸術団関係者」などから5人で構成される。参加者の大衆へ「いかにアピールしたか」を評価して、まずは15人を1次選抜する。

北朝鮮の話術論「気迫を失うな!」

選抜された参加者は、朝鮮中央放送の「話術専門家」によって1年間の教育を受ける。「話術論」という教育のなかで、最もたたき込まれるのが「どんな場合でもスピーチにおいて気迫を失うな」だ。

こうした厳しい競争を経て、ほんの一握りの人物だけが、朝鮮中央放送の放送部員になる。さらに、李春姫の様な看板アナになるためには、金正日氏の目にとまらなければらなない。

朝鮮中央TV放送員の待遇は、労働党中央幹部たち同レベルだという。李春姫クラスになると、放送局幹部をはるかに上回る待遇だという。

「看板アナになると、一般民衆がお目にかかれないキジや鹿の肉などの食材加え、スーツや工業製品なども党が直接提供する。また、彼らは金日成・金正日の誕生日、党創立記念日、国家創立記念日の4度に渡って特別な配給も受ける」(チャン・ヘソン氏)

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地方放送で放送員を務めた脱北者のパクさん(仮名50大)も同様のことを語った。

「人民放送員・功勲放送員(党が授与した称号)たちは、平壌で最も生活環境が良いチャングァン通りに住み、暖房、温水設備が整った住居を提供される」