この記事は、金正恩氏の登場により金正男氏ラインに分類される外貨稼ぎ労働者らの召還が続いたと伝えている。デイリーNKの取材の結果、金正男氏の側近として挙げられる中国駐在貿易労働者カン氏が、同年の7月初めに平壌に召還されて国家安全保衛部(秘密警察)で国家財産私取の疑いで厳しい拷問を受けたことがわかった。当時、北京の外交街ではこの事件に関して金正男氏の側近に対する「整理」だと分析されていた。
質問に対して金正男氏が「高位層に関する情報はほとんど嘘だと表現するのが的確だ」と不快感を表現した。金正男氏がこのように「嘘」という表現まで使って強力に否認したことは、自身に外貨を提供してきた側近たちが北朝鮮当局によって問責を受ける状況で、(デイリーNKが)彼らの各種不正蓄財の事実を暴き出したためである可能性がある。
また、このメールでは「デイリーNKはあまり読まない。脱北者が運営するサイトの1つだが、その中でも北朝鮮の恥部を探し出そうとする傾向が強く見える」と答えているが、デイリーNKに勤務している脱北者は一部に過ぎない。いずれにせよ、若干の事実誤認はあるものの、金正男氏はデイリーNKをチェックしていると思われる。
金正日氏が死亡し、金正恩体制への移行が急ピッチで進むなか、今後も金正男氏の動向には関心が寄せられるだろう。
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