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北朝鮮が非常に重要視する「軍民関係」。軍と民間人は一心同体で、関係は常に良好でなくてはならないとするものだ。これを毀損する行為は、たとえ業務上の過失であっても厳しく罰せられる。

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は、畑の警備に当たっていた兵士が、民間人を死なせてしまった事件について報じている。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋によると、事件が起きたのは8月23日のことだ。朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の第7軍団所属の副業地(畑)で、ある兵士が警備に当たっていた。輸送過程での横流しなどで充分な食糧を得られないため、このように独自に畑を耕して作物を栽培しているのだ。

この兵士は、畑からトウモロコシを盗み出そうとしていた民間人を発見した。餓死者が発生するほどの状況下、警備が厳しいことは百も承知で、軍の畑に手を出すほど飢えていたのかも知れない。ところが、兵士から激しい暴行を加えられ、殺されてしまった。

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この兵士は、軍団の保衛部(秘密警察)に勾留され、事件の経緯について取り調べを受けている。また、事件について報告を受けた朝鮮人民軍総政治局は、今回の事件を厳重な政治的問題として、徹底的な対策を立てるように指示文を下した。

「政治的問題」となれば、本人はもちろん上官も無事では済まされない。このような犯罪行為の防止に何の対策を立てていなかった、人員管理と軍人教養(教育)を怠ったとして、直属の上官である小隊長、中隊長、政治指導員に対しては、出党(朝鮮労働党からの除名)と過誤除隊(不名誉除隊)の処分が下された。

また、上級部隊である大隊の責任幹部(トップ)も連帯責任を問われ、軍団の政治部に呼び出され、党検閲委員会から批判と厳重警告を受けた。なお、事件を起こした兵士に対する処分は、今のところ下されていないが、重いものになるだろう。

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平安北道(ピョンアンブクト)の軍関係情報筋は、今回第7軍団で起きた事故に関して、毎週土曜日に連隊以上の責任幹部が、中隊、独立小隊、哨所に出向き、軍官(将校)、兵士を参加させて教育を行っていると伝えた。

部隊の政治部は総政治局の指示に基づき、軍官や兵士を対象とした討論会を行っている。これらは、思想闘争会議、つまり問題のあった人物を吊るし上げる形で行われ、現場からは不満の声が上がっている。

大隊以上の参謀部は、所属する部隊に対して、軍民関係の改善のための10大遵守原則、10種類の中隊管理準則に基づいて、部隊を管理するようにきつく言っているが、現場からは、夏季訓練の結果判定でただでさえ忙しいのに、部下の管理の徹底を強いられ、ヘトヘトだとの声が上がっているとのことだ。

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