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北朝鮮が1日に発表した新年共同社説には日本に対する言及が全くなかった。そのため、今回の共同社説は「今後北朝鮮が日本と距離を置くという暗黙のメッセージ」だという評価が出ている。

これに対し、日本屈指の北朝鮮専門家である李英和(イ・ヨンファ)関西大教授は、当分の間は日朝関係が梗塞するだろうという見通しを出した。

李英和教授は4日のデイリーNKとの通話で、「北朝鮮と日本の間の主要課題は『拉致被害者』問題だが、これに関して当分の間は対話すらも出来ないだろう。北朝鮮は金正恩の実母である高英姫(コ・ヨンヒ)が在日出身であるという点により、日本に対するより強硬な立場を打ち出す可能性がある」と述べた。

金正恩の実母が「日系」であるため、金日成−金正日の順に受け継がれる北朝鮮最高指導者の正当性が希釈(キシャク)しうるという判断のためだ。現在、北朝鮮では高英姫が日本出身であるという事実を「最高機密」として指定しており、口外した者は政治犯収容所に収監されるとして知られている。

李教授は「金正恩さえも自分が日系の子孫であるという事実を隠そうとし、そのような傾向が北朝鮮の対日政策に反映されるだろう」と診断した。

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続いて「朝鮮総連も高英姫との関係のため、北朝鮮当局との関係が悪化するだろう。このため、朝鮮総連は持続的に弱体化される。しかし、朝鮮総連は依然として金正恩忠誠運動を強化して忠誠金まで送ろうとしている」と述べた。

また、「高英姫の偶像化は金正淑(キム・ジョンスク)と同様に、経歴を偽造し『偽りの神話』を作り出すだろう」と付け加えた。

これに加え李英和教授は、学界の内外で提起されている金正日死後の北朝鮮「集団指導体制」の可能性について「すでに定着した状態」だと主張した。

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金正日は脳卒中で倒れる以前から認知症の症状が浮齊nめており、これに備えて集団指導体制を導入し運営し始めたという説明だ。北朝鮮当局は当時から金正日死亡という状況を念頭に置いておいたということだ。李教授によれば、北朝鮮は2007年後半から集団指導体制を導入した。

2010年に起きた延坪島事態も集団指導体制内部の対立が原因だというのが教授の主張だ。2010年には北朝鮮の「大規模」挑発が2度もあった。当時、北朝鮮の挑発で3月には天安艦の乗務員46名が戦死し、11月の延坪島では初めて民間人まで死亡する事態が生じた。

李教授は「金正日は2007年から認知症の症状が出始めていた。その時から集団指導体制形態の国政運営が成立した。金正日が脳卒中で失神した際、先日に急死した際に北朝鮮内部の動揺がなかったのがその証拠だ」と主張した。

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また「2010年の延坪島砲撃事件は集団指導体制内部の対立により発生したもの。一般的に強硬派が主導したものとして知られているが、延坪島砲撃は張成沢(チャン・ソンテク)や李英鎬(リ・ヨンホ)が主導した事件」だと強調した。

李教授によると、2010年の党代表者会議当時に急浮上した李英鎬・総参謀長は張成沢の影響により短期間に要職を占めた。これに軍部勢力は大きな反発心を抱いていたが、このような不満が表出される直前に張成沢と李英鎬が延坪島事態を起こしたということだ。関心を外部に向けるための選択だったという説明だ。

また「張成沢と李英鎬に対抗する勢力が労働党・軍部など多方面にいると見える。その勢力は張成沢−李英鎬に対抗するだけのものではないが、張成沢−李英鎬も反発勢力を粛清するほどの力は持っていない。現在、集団指導体制が力の均衡を保っていると考えられる」と主張した。

続いて「今は金正日の追悼期間であるだけに彼らの間で紛争は起きていないが、半年内に集団指導体制の中で紛争が始めるものと見える。その後には紛争により指導層の亀裂が表面化するだろう」と付け加えた。

また李教授は、金正恩を張成沢と李英鎬の「操り人形」として評価した。金正恩が信頼するに値する人物が少ないため、張成沢‐李英鎬に権力の比重が加わるという分析だ。李教授は「金正恩はすでに張成沢と李英鎬の操り人形も同然だろう」と主張した。

更に「金正恩が4月15日(太陽節、金日成誕生日)を起点に総秘書や国防委員長の座に就くと思われる。しかし、『唯一指導体制』という外見のみを維持するレベルの形式的な推戴となるだろう」と見通した。