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咸鏡道の会寧は中国と接した地域で、中朝貿易が活発だ。また、中国人の往来が頻繁で、脱北も頻繁に発生して、北朝鮮政府の要注意対象地域だ。

最近、金正日の’母の故郷である会寧を掃除せよ’と言う特別の指示に従って、北朝鮮政府が国境地域での違法行為に対する清算に出て、住民たちが身をすくめていると、内部消息筋が伝えた。

去年の12月、北朝鮮政府は違法越境者に対する取り締まりを強化することを指示し、特に会寧市に注目した。金正淑の誕生日から90周年になる2007年を迎え、会寧市の渡江現象を徹底的に根絶させるように指示した。

会寧市のある貿易会社に勤めるキム・ヒョンチョル(仮名・35歳)氏は26日、デイリーNKとの通話で、単刀直入に“このごろ取り締まりがひどすぎて暮らすのが大変だ”と話した。

‘どういったことか’と問うと、キム氏は“去年の12月3日に、会寧市に対する統制と検閲を強化するようにという指示が下ったが、’母の金正淑の生誕90周年を迎えて、会寧市を奇麗にするように’という指示だと聞いた”と答えた。

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キム氏は“この奇麗にしなさいという内容は、文化・衛生的な意味ではない。法の秩序と国境の統制を徹底し、外部との連絡を徹底的に遮断して、渡江者をなくすようにという内容だ”と説明した。

貿易会社が去れば住民も去る

キム氏は“最近まで国境地域に‘グループ(検閲団)’がやって来て、国境警備隊に対する検閲事業をずっとしている”と言い、“会寧の住民たちが対象で、手電話機(携帯電話)に対する追跡や取り締まりを強化して、数百台の手電話機を回収していった”と話した。

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キム氏は”中国と商売する人々は手電話が必須なのに、窮屈だ”と心情を打ち明けた。

彼は“以前と違い、手電話機を使う人々に対する処罰がひどい。罰金を出す場合が多いが、ひどい時は2年ないし3年以上、労働教化所に行かされる”と言った。以前は通話の時に摘発されれば、労働鍛錬隊に送られたり罰金ですんだが、今は処罰が強化されたようだ。

キム氏は今後の生計が大変だと語った。

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“上級単位は会寧から撤収せよという指示が出た”とキム氏は言った。キム氏が通う会社を別の地域に移すようにという支持だ。

理由を問うと、キム氏は“会寧を通じて多くの情報が流れ出し、渡江者と密輸等、外部と係わる事件が頻繁になると、 政府がその主要な原因は中国と貿易する会社に関連があると思ったようだ”と伝えた。

会寧にある貿易会社の多くは清津や平壌に本社がある。北朝鮮政府は貿易相手である中国人たちが会寧に頻繁に往来し、違法行為が増えたと考えている。

金正淑の故郷であることが恨めしい

中国人たちは事業上の便宜のために、密かに手電話機を持ちこんで使い、伝達しているという。この電話機を通じて北朝鮮の事実と内部資料が伝わっていると政府は見ている。

真っ先に厳しい状況に置かれたのは、貿易会社ではなく会社の職員たちだ。貿易会社が会寧から他の地域に移れば、解雇される。会社の事情で、宿舎まで保障することができないからだ。

会寧市でも貿易会社が去ることを願っていないが、上級の指示なので仕方ないと言う。貿易会社が去れば、仕事を失う人々は勿論、貿易を通じた相互往来や中国との交流が減れば、会寧市の商取引がかなり減るようになる。

これは会寧の総合市場の萎縮につながり、市場の商人たちの商売にも影響を与える。結局、全般的に会寧市民の生計に悪影響を及ぼす。

最後にキム氏は“もう希望がないから、堪えてみてだめならば渡江する。その時はちょっと助けてほしい”と頼んできた。

北朝鮮政府が配給制の実施をあきらめた以上、住民たちは自ら中国との交易を通じて暮らす道を捜すしかない。政府の統制に従っているだけでは、飢えを凌ぐことすらできない。

会寧の住民は、北朝鮮政府のこのような‘掃除’措置のため、生活が一層辛くなった。彼らは会寧市が金正淑の故郷であることを長く恨むであろう。