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金日成、金正日に続き、金正恩が第一歩を踏み出したが、変化はなかった。

北朝鮮の新年共同社説は、その年の国政の課題を提示する役割を果たしている。今年の社説は、金正日の急死によるリーダーシップの空白の懸念のためか、金正日が確立してきた唯一指導体系の継承を強調した。また、金正恩時代にも変わることなく、先軍の強盛国家という国政の方向を維持することを明らかにした。

予想通りに社説の主要メッセージは、金正日の遺訓と金正恩の指導体系の確立だった。金正日の死亡を「5千年の民族史の最大の損失」と哀悼し、彼が成し遂げた成果をもとに、2012年には強盛復興の全盛期を成し遂げようとのスローガンを提示した。

依然として、金正恩が人民の支持を引き出すほどの成果を達成していない状況で、金正日の遺訓を強調する事で、新指導者の正当性と権威を確保する意図があると思われる。社説では「敬愛する金正恩同志は、まさに偉大な金正日同志である」とまで表現した。

国防委員会は30日に声明を通じて、金正恩への忠誠を強調しながら「我々に如何なる変化も望んではならない」と宣言し、改革を拒否する立場を堅持した。若い年齢と留学経験から金正恩が開放路線を選択するとの期待世論があった。

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しかし、北朝鮮当局の金正日の七光りによる新指導者の権威の確保が、内部で肯定的な効果を発揮するかは未知数である。金正日は自身の絶対権力システムは構築したが、経済を破局に追いやり、住民統制を乱発してきた。金日成が死亡した当時との住民の反応が明確に違っており、金正日の遺訓強調は、むしろ住民の失望感を高める可能性がある。

また、昨年の新年共同社説で全面的に強調した人民経済分野の発展に対しては、トーンダウンした。2012年強盛大国入りの公約が達成されておらず、新たな100年を迎える上での課題の提示に留まった。

北朝鮮は今年に入ってから、強盛大国という言葉ではなく強盛国家という表現を使用し、経済大国の目標を調整している。今回の新年のあいさつでは「強盛復興の全盛期」というスローガンを提示した。これは具体的な成果に対する評価ではなく、様々な生産と建設への群集動員を行う意図がある。

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そのために、社説では「強盛国家建設の主攻戦線である軽工業部門と農業部門では、咸鏡南道の大革新の炎をさらに激しく燃え上がらしなければならない」と強調し、また「今日の党組織の戦闘力と組織員の革命性は、食料問題を解決するうえで検証される」とし、農業部門での成果を達成出来なかった失敗を認め、その責任を幹部が負わなければならないと述べた。

昨年の新年共同社説で明らかにした対話攻勢を180度転換し、弔問問題で李明博政権を猛烈に非難した。社説は、南朝鮮の保守執権勢力が時代の流れと民心を無視し、弔意の表示を妨害し、人民の峻厳な審判の対象となったと主張した。また、在韓米軍撤退を再び主張し、米韓同盟に対する警戒心と韓国国内の親北勢力の反米闘争を扇動した。

社説の最後では6.15共同宣言と祖国統一の意志を強調したが、これは来年の韓国大統領選挙で、民族共助路線に同調する勢力に執権を支援し、金正恩を統一指導者としてのイメージ作りを行う意図が反映されている。

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北朝鮮は、国内の経済難を打破するためには統一しかないという意見が高まっており、対南戦争準備と共に統一戦線も同時に強調している。

今後、北朝鮮は韓国に包容政策を選択する政権の登場を誘導し、金正恩が南北統一を介して、北朝鮮の経済難を解決出来るというイメージを強化させていくものと見られる。

今年の新年のあいさつでも世襲独裁を美化し、様々な偽りのスローガンを乱発し、住民の忠誠心を誘導する内容で一貫している。しかし近年の新年社説とは異なり、新たな100年は新指導者と共に大躍進を成し遂げようとの決心と上気した雰囲気を強く演出した。