コ・ヨンヒ(高英姫)とは

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金正日の死によって後継者としての道を歩み始めた金正恩の実母が帰国した在日朝鮮人であることは広く知られている。では、コ・ヨンヒ(高英姫)とはどんな人物なのか。

デイリーNKは今年5月31日の記事でコ・ヨンヒが、それまで伝えられていたプロレスラー高太文(コ・テムン)の娘、高春行(コ・チュネン)ではなく、在日帰国者であるコ・ギョンテク氏の娘であると明らかにしたが、その後、日本当局の公式記録からコ・ヨンヒの家族関係や生年月日なども明らかになった。

■コ・ヨンヒ:1952年6月26日生
■1962年帰国
■日本の登録名:コ・フィフン

コ・ヨンヒの誕生日については「1950年6月16日」や「1953年生まれ」など様々な説があったが、日本の公式記録や帰国者名簿から1952年6月26日であることがわかった。北朝鮮に帰国したコ・ヨンヒは、名前をコ・フィフンからコ・ヨンジャと変え万寿台芸術団に入団し1973年7月から9月にかけて日本で公演をしている。日本公演に先立って日本風「ヨンジャ」から「ヨンヒ」へ名前を変え、その後はコ・ヨンヒという名前で金正日の妻となり正哲と正恩、そしてヨジョンを産んだ。

(※「〜ジャ=〜子」は日本風の名前であることから金日成の指示によって当時帰国者の多くが名前を変えさせられた)

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コ・ヨンヒの妹であるコ・ヨンスクは米国へ亡命しているが、1973年に発刊された朝鮮総連の写真宣伝誌「朝鮮画報」には彼女の写真が掲載されている。この写真と料理人藤本健二氏が1995年に撮影したコ・ヨンスク氏(一番下の写真)は同一人物と見て間違いないだろう。1973年の「朝鮮画報」の写真を直接藤本氏に見せたところ、こう言った。

「イモニン(藤本氏はコ・ヨンスクをイモニンと呼んでいた)に100%間違いない」

北朝鮮と日本の公式記録によって明らかになったコ・ヨンヒだが、今後の金正恩の偶像化過程で彼女が在日出身であるという出自を北朝鮮当局は隠す可能性もある。しかし、彼女が在日帰国者であることは多くの在日に知れ渡っていることから、偶像化作業は極めて困難になることが予想されるだろう。