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北朝鮮当局は貿易企業を対象にドルや人民元など、外貨レートを相場よりも優遇していると伝えられた。特に、このような措置が為替レートと物価を引き上げていると思われる。

丹東に滞在している貿易機関労働者によると、北朝鮮当局は朝鮮貿易銀行などを通じて、貿易会社に外貨レートを優遇しているという。

しかし、数社だけがこの措置に応じており、大半は貯蓄しているという。

この貿易機関労働者デイリーNKに「10月頃に当局から、外貨レートを優遇するので外貨を提出せよとの指示を下したが、頭が良く資金が豊富な貿易活関連業者らは、取引銀行に貯蓄した」と伝えた。

現在、北朝鮮国内ではウォンの価値下落により人民元レートが急上昇している。市場ではドルや人民元が好まれている。貿易会社が当局の措置に応じるよりも、貿易銀行への貯蓄を選択した背景がここにある。

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市や郡の貿易銀行に貯蓄する場合、上級単位の検閲にかかる危険性がなく、取引銀行との事前協議によって、必要に応じて手数料を支払うだけで為替レートの変動を受けずに外貨での資金の貸付を受ける事が出来る。

現在、貿易活関係者の間では、当局の措置は強盛大国元年の2012年を控え、様々な行事の準備や10万世帯建設等で必要な莫大な外貨を補うためだと指摘されている。

この人物は「10万戸建設と各種行事の準備で持続的に外貨が必要となるだろう。この為、外貨レートは持続的に高まると人々は皆そう考えている」と話した。

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これまで北朝鮮当局は外貨確保に向け、両替商や貿易企業から外貨を買い入れる措置を頻繁に強制施行してきた。

パク・ヒョンジュン統一研究院南北協力研究センター専任研究員が今月2日に発表した「北朝鮮の2012年の準備動向と情勢展望」によれば、北朝鮮は2011年6月初めに、平壌市の高麗銀行と貿易銀行を通じて個人両替商を対象とした組織的な外貨購入を実施した。

しかし、当局がこの様な回収措置を取る度に為替レートは上昇し、住民は物価上昇によって大きな被害を受けた。

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最近のコメ価格などの高騰も為替レートの上昇が主な要因に指摘されているが、当局のこのような措置が影響を及ぼしたものとみられる。当局が無分別にウォンの通貨量を増やし外貨確保に乗り出す事で、為替相場が急上昇し、インフレを引き起こしたという指摘もある。

これまで北朝鮮当局は、企業所や貿易企業には外貨収入を取引銀行に入金するように指導してきた。しかし、責任者らは入出金の手続きが複雑な取引銀行に入金させずに各自が保有してきた。

貿易企業所は資金が必要な際に引き出し書類を作成し貿易銀行に提出すると、外貨(ドル、円、元、ユーロ、ポンドなど)を借り入れることができる。通常の金利は3〜5%であるが、最近では外貨不足によって借入が出来ないケースが多いと伝えられた。

元企業所支配人の脱北者(2011年入国)は、デイリーNKに「貿易部門の責任者らは外貨収益を取引銀行に入金すると『虎の口に入れる』と表現した。普段は個別に保管し、必要なときに両替商を通じて両替した」と述べた。

北朝鮮当局は、貿易銀行などではない個人両替商に外貨が集中すると、違法な資金流通の摘発を名目に取締りを年に数回行なっている。