北朝鮮当局が、男性のロン毛(長髪)や、髪染めに関して厳しい姿勢を見せている。

デイリーNKが、最近入手した北朝鮮の雑誌「月刊社会主義生活文化(勤労者団体出版社)」の10月号に掲載された「服装や身づくろいを健全で質素に」という記事を通じて、北朝鮮当局が望む「ウリ(われわれ)式ファッション」を強調した。

「服装や身繕いを端正にすることは、我が国の内部で腐ったブルジョア生活様式をまき散らす帝国主義者の悪辣な策動を粉砕し、社会主義的生活様式を確立するための重要な問題の一つ」

また、男性のヘア・スタイルについては、次のように伝えた。

「男性は、年齢と職業、顔立ちに合わせてすっきりと髪を切らなければならない」

「軍人の頭は髪染めをすべきではない。『センター分け』などは時代的美感に合わせて誰もが選択出来る髪型だ」

さらに、女性の髪型については「髪を腰のあたりまで長く伸ばすのは我々のスタイルではない」と長髪を禁じながら「センス」について言及した。

「センスを磨くためには、ファッション雑誌や他国の流行についても参考にすべきである」

男子の長髪は「ライオン頭」

仮に、北朝鮮当局が推薦しないヘアスタイルをしたらどうなるのだろうか。韓国在住の脱北者によると「ハサミで切られる」という。

「男性の長髪頭は『ライオン頭』と呼ばれるが、検問にかかると無慈悲に切られる。学校の中では、金日成社会主義青年同盟の指導員と糾察隊が取り締まっている」

「女性は、軽く茶色に染める場合も見られるが、男性はムリだ」

しかし、最近の北朝鮮の若者たちは、こっそり広まる韓流ドラマ影響で、流行を追うのに夢中だ。

もちろん、北朝鮮当局は「資本主義の風」と「自由化の風」が流入すると、躍起になって取り締まる。

北朝鮮の風紀委員「糾察隊」

北朝鮮では、「金日成社会主義青年同盟」傘下に「学生糾察隊」を組織し、女性のパンツ・ルックや金日成氏・正日氏の肖像バッジの確認、長髪の男性を当局に通報する方式で取り締まってきた。いわば、国家の風紀委員である。

こうしたなか、前述の「月刊社会主義生活文化」は、庶民の身なりを問題視する。

「生活が苦しいため、いいかげんな身なりになる。重要行事や公演観覧の時でさえ普段着のようなみすぼらしい姿で参加するのは古い生活様式のせいだ」

北朝鮮の公式行事や公演では、本来、男性はスーツにネクタイ、女性はチマチョゴリが絶対条件だ。同誌は、見栄えがよいので普段も名節時のような格好が望ましいと強調する。

「身なりの多様化は民族的情緒を薄くし、社会の基盤である革命的雰囲気をむしばんでいる。我々方式ではない身なりには見向きもしてはならない」

海外文化が若者に広がるのを必死に防ごうとする北朝鮮当局だが、2000年頃からは、中朝貿易を通じて韓国製品や韓流ドラマが流入。庶民達の関心も高まった。当局は、市場の取り締まりを強化しているが、この流れは止まりそうにない。