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北朝鮮で物価と為替レートが連日最高値を更新している中、国の配給対象1位の軍将校家族の食料事情も難しいといわれている。

最近では、将校の家族も密貿易などの商売に乗り出しているという。両江道では不法商売を行なっていた将校の妻らが逮捕され、調査を受けているという。

両江道の消息筋は1日、デイリーNKとの通話で「普天郡の10軍団所属の教導旅団(濫??R事訓練指導部隊)の軍官(将校で少尉以上)の妻が、食料を購入する目的で金属売買の密貿易しようとしたが逮捕され、調査を受けている」と伝えた。

消息筋によると、教導旅団の6人の軍官らの妻らは、先月15日頃に普天郡蓬水洞で鴨緑江を渡り、中国・長白県に向かったが現地で公安に逮捕され、北朝鮮に送還され両江道の保衛部に引き渡された。中国との密貿易のために銅を所持していた。

この事実を伝え聞いた教導旅団の幹部らは、北送直後に保衛部に内密に処理するように要請したという。しかし、これまで軍との軋轢争いを行なってきた保衛部の反探部に身柄が引き渡されると、即座に中央当局に1号報告(金正日への報告)を行った。

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現在は保衛司令部から派遣され担当者が調査を行なっているという。

一方、北朝鮮当局は、権力を支える党、軍、法機関(人民保安部、国家安全保衛部、検察署)の家族を対象に商売を禁止している。1990年代後半の大飢饉時に一時的に監督・規制を緩めただけだ。

軍官の場合には「妻が商売をすれば、夫が家族の革命化に失敗したと判断し、除隊させる」と通達してきた。また、金正日の先軍政治路線に応じて、軍部隊内に「家族小隊」(将校の妻を含むグループ)を組織し、規律を強要してきた。保衛員や保安員の場合も、家族の商売が取り締まりにかかれば、即座に除隊措置される。

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このように、北朝鮮当局が軍や法機関の家族の商売を規制する背景には、市場の統制が難しいと考えているからだ。北朝鮮当局は市場を介して資本主義の「黄色風」が浸透しているとし、統制を継続してきた。

特に、金正日政権は家族の市場での活動が幹部の思想的動揺に影響を及ぼし、社会の綱紀が緩む可能性があると判断し、警戒してきた。慢性的な食糧難にもかかわらず、軍官への配給だけは中断されなかった理由がここにある。

しかし、このような金正日政権の思惑とは異なり、家族の違法商売は行われてきた。配分だけでは生活を維持するのが難しいからだ。

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2010年から軍部隊の軍人1人につき1日700g、家族には300gの食糧が配給されている。これに加え5,000ウォン程の給与が支給されるが、コメ1キロが4,000ウォンを超える状況で、現実的な生計維持は不可能である。

この様な状況で、軍官や法機関労働者の家族が中国との密貿易を今後も行うしかない状況である。