人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

北朝鮮当局が2年前に貨幣改革を断行した表面的な理由は、インフレの抑制であった。しかし、当局の期待効果は住民生活に全く浮黷トいない。むしろ住民生活はより一層困窮している。

制限された量の貨幣の交換によって、市場で流通している資本を回収し通貨量を減少させ、物価を下げる当局の市場統制政策は数ヶ月で白旗を挙げた。現在は、貨幣改革以前よりも物価は上昇し、市場はさらに活性化された。

貨幣改革直前は1ドル3800ウォン台だったが、現在は4500ウォンを突破した。物価の基準となるコメ価格は、当初の1キロ2200ウォンから4000ウォンを超えた。市場規制政策と検閲にもかかわらず、住民の市場への流入は増加している。

市場を取り締まる保安員や糾察隊でさえ、形式的な取り締まりに留まっている。崩壊した国家配給によって、取締り員の家族でさえも商売をしなければならない状況だからだ。

何よりも、貨幣改革が住民の資本蓄積方法を根こそぎ変えた。貨幣改革は外貨使用を禁止し、ウォンの価値を引き上げようとした措置だったが、結果的には殺人的なインフレとウォン不信を生み出した。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

当然のように外貨需要が高まった。平安道の消息筋は30日、デイリーNKに「ウォンの価値は地に落ち、今では皆が人民元を保有しようとする。また、物価も人民元を基準に決められている」と述べた。

実際に、北朝鮮全域の市場では取引量に関わらず外貨取引を希望している。咸鏡北道清津市のスナム市場では、豆腐や薪までも人民元やドルで取引されている。

このため、住民の間ではドル、人民元、金や現物で資本を蓄積する雰囲気が拡散している。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

平壌出身のある脱北者(2011年6月脱北)は、デイリーNKとの通話で「貨幣改革当時、現物を多く保有していた人々は被害が少なかったが、ウォンを持っていた人は大きな混乱があった。住民はドルや人民元が安定しているとの認識を持つようになった」と伝えた。

この脱北者は「(貨幣改革以降)ウォンを沢山持っている人は笑いものになった」とも述べた。

市場で交換が可能な物資を貯蓄手段として活用する傾向も増えている。黄海道出身の脱北者(2011年5月脱北)は「貨幣改革が失敗した後、物資や米を貯蓄する様になった」と伝えた。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

また、貧富の格差はさらに広がる傾向にある。貨幣改革は政権に忠誠を捧げてきた中産階級に甚大な打撃を与えた。制限された金額だけを新貨幣に交換する措置によって、蓄積していた現金が一瞬にして紙切れになり、経済基盤を喪失する結果をもたらした。

国内外のマスコミなどを通じて報道されているコチェビ(ホームレス)の増加や家族の崩壊は、貨幣改革の後遺症とみられている。

一方、大規模な商売をしていた人々は多くの物資を保有したお陰で、改革後により多くの資本を蓄積することができた。

咸鏡北道の消息筋は「市場で苦しみながらウォンを集めた人々は一瞬にして破産し、人民元を持っていた人々は一銭も損をしていない。裕福な人と貧しい人の差が激しくなった」と述べた。