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ブルーベリーの一種、「トゥルチュク」(和名クロマメノキ)。北朝鮮国営の朝鮮中央通信によると、同国北部に当たる北緯40度以北の地域でよく育ち、北緯41度の白頭山周辺で特に多く取れる。

栽培が行われている一方で、野生のトゥルチュクの採取も行われ、旬を迎えると、小学生からお年寄りまでが動員される。朝鮮労働党の各地域の委員会、機関、工場、企業所など、皆が目の色を変えて採取に熱を上げるが、住民は動員にイヤイヤ応じる状況が続いてきた。しかし、今年は状況が異なり、自発的に参加しているという。

(参考記事:北朝鮮で過熱する「金のなる木」の争奪戦

デイリーNKの内部情報筋によると、北朝鮮が農村や山間部で採取している木の実の量は年間数百トンに達する。値の張るトゥルチュクはもちろんのこと、ドングリ、コクワ、ヤマブドウなどがその対象だ。ノルマは定められていないものの、成人1人あたり10キロ、児童・生徒は5キロだった。

採取された実は食品加工場に送られ、平壌や軍、外国人観光客に供給する食品、ジュース、酒などになる。

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がんばって採取したところで何の報酬も得られないため、住民は動員に後ろ向きだったが、今年は深刻な凶作に見舞われ食糧難が深刻なため、積極的に応じているのだ。

(参考記事:「カエルも食べない水草」で飢えをしのぐ北朝鮮の農民たち

現地にはもう既に冬がやって来ている。長く続く極寒の時期を生き残るためには、一所懸命採取して、ノルマ以上に得られたものを、越冬用の食糧として備蓄できる。

「外部からの供給がなく、食糧価格がさらに上がるかもしれないので、木の実や山菜を取って貯蔵しておく」(情報筋)

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ちなみに、山菜は塩漬けにしておけば長く食べられ、ドングリはアク抜きをして固めれば「ムク」と呼ばれる煮こごりのようなものになる。

なお、トゥルチュクなどは貿易会社が輸出用に買い取ってくれることもあり、貴重な現金収入となる。