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名前:オ・ギルテ

年齢:33歳

職業:国境警備隊(現職の隊員であるため、安全を考慮して仮名)

−米は配給される?

2000年代初盤にはトウモロコシがほとんどでしたが、今では米が少し配給されるようになりました。白米は南京米(東南アジアからの輸入米)が基本ですね。2000年代初中盤には大韓赤十字社の袋が来ることも多かったですが、今では配給されることはありません。トウモロコシと白米を混ぜて配給されます。基準は定量が700グラムで、間食が200グラムです。

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−定量の食事が出される?

小隊には平均27人がいますが、重要な勤務地では40人がいる部隊もあります。普通、アルミニウム製の茶碗にちょうどぴったりよそったものを500グラムと計算し、それが3〜4膳配給されます。27人もいるので実際は500グラムにもならないです。そうすると実際は1人当たり100グラムももらえないでしょう。空腹です。

−それでお腹が膨れる?

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南京米は100グラム炊けば量が増えます。炊きたてを釜から直接よそうのではなく、よそっておいて冷まします。そうするとかさが増したように見えるからです。そのようにして兵士らに飯をたくさん与えているように見せます。

−若い兵士たちには十分ではないだろうが、どうやって生きている?

しかし、警備隊は密輸や様々な通路で金を儲ける手段があります。たくさん儲ける兵士の中には、部隊で飯を食べない人もいるという話です。けれど、このような話が厳しく提起されれば、検閲(監査)にかかって教化(処罰)を受ける場合も多いですね。

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軍人教化には2種類があり、除隊させて社会教化に行く場合が多いのですが、罪状が重い場合は軍人教化所送りになります。西海地区には平安南道(ピョンアンナムド)の檜倉(フェチャン)、東海地区には咸鏡南道(ハムギョンナムド)の金野(クミャ)にあって、咸鏡道は東海地区に属するので、金野に行きます。

一般の密輸は1〜2年ほど過ごして出られるが、韓国を相手にした場合「敵線」をつけるとするため、厳しくされます。金野教化所は事実上、収容所に似ています。耀徳(ヨドク)収容所もその近くにあります。

−警備隊に対する検閲が非常に厳しいらしいが、実態は?

検閲は文書を最初に回収し、1人につき1日〜2日ずつの個別面談を行います。これを数回に及び行ないます。小隊や中隊で寝泊まりして検閲することもあります。言うことが違ったり、問題があったりすれば、さらによりひどくなります。

検閲では警備隊だけを検閲するのではなく、警備隊周辺の住民まで総合的に検閲します。警備隊は周辺住民たちと共謀することが多いのですが、このようなことをすべて調べるのです。密輸したり、人を通過させる時にお金を受け取るため周辺の人々まで検閲し、問題が起これば捕まえます。

−検閲はどの機関が?

一番厳しいのは秘事検閲です。中央党(朝鮮労働党中央委員会)から来る場合は本当に厳しいですね。その次に師団や連帯から来る場合があります。私たちは人民武力部の傘下ではないため、そこから検閲に来ることはなく、たまに保衛司令部で武器検閲を行う場合もあります。

ある部隊では大隊長が弾薬を売り込んで、問題が大きくなったという話も聞きました。それをロシアに渡すという話もあります。売り込むものがないと言って、弾薬まで売ってしまえという話まで出ております。弾薬は訓練で消耗したと言えば済むからです。

−指揮官が処罰されることは?

多いですね。小隊長らは知っていることも多いが、知らないことも多く、それで状況がわからずに摘発されることもあるそうです。密輸には単に品物の取引もあれば、麻薬や人を中国に送るのもあるのですが、警備隊員たちは「いくら悪ふざけをしても、人を売り飛ばすことはやめよう」と言っているのだが、たまにそのようなことも起きます。人のやることですから。そうして銃殺されたりします。

−銃殺された人は正式に裁判を受けた?

会寧(フェリョン)の方で勤務していた人は、市場で裁判にかけられ、その場で銃殺されました。民間人と共謀したというのがその理由です。部隊で銃殺をすれば誰にも伝わらないので、脅迫のためにそうしたのでしょう。

最終裁判を受けるのを見たことがあります。その場で裁判を行い、裁判長が前に座っていて公訴状と判決文を読み上げます。弁護士はいません。こんな裁判で銃殺されました。同じ中隊の人がその光景を見て部隊に伝えればみんな押し黙ったように静かになります。

−3線警備の経験は?

はい。私たちが1線、2線を保衛指導員と安全員、3線を教導隊や赤衛隊が見張ります。3線は友人の家で遊んで、1回ずつ見て回ります。非常事態の際のみ路地ごとを守るので、1線を通過すれば 2・3線は通過すると考えていいでしょう。

−川を渡ろう(脱北)として捕まり、中隊に連行される人は多い?

多かったですね。大部分は罪を減らそうと中国に金を受け取りに行こうとして捕まったといいます。それでこそ罪が軽くなりますからね。保衛員(秘密警察)の家族が脱北しようとして、政治犯収容所送りになったことがあります。保衛員なのに韓国に行こうとしたので、どうしようもないでしょう。

−連行された人の扱いは?

下級兵士たちは渡河者を捕まえれば捕縛だけして、哨所に連行することになっています。小隊長や中隊政治指導員が予審をします。彼らが不在なら士官長や副小隊長が行なうことになっています。住所、年齢、中国に行こうとした目的などを尋問し、体に隠しているものがあるか等を検査します。

1次予審が終われば中隊に護送し、中隊から再び大隊、連隊に送ります。私たちは主に手洗場や冬のシャワー室に入れておきます。上からはすぐに移送しろと言われるので、そうします。

−連行された人々に暴力を振るう?

何度も殴ります。最初はひざまずかせ、頭を殴ります。女性は、とても怯えて下の粗相をする人が多かったです。すごく怖がります。入って来る時からそうだ。やってきたら怯えさせるために軍靴で頭を叩きます。

調査する過程で嘘をついているという感じがすれば足で蹴り、頬を殴ります。自動小銃で殴る場合、昔の58年型なら折れないのですが、68年型なら折れて銃身が飛んでしまいます。全てがこのようなわけではないのですが、無慈悲な扱いをするためとても長いです。

−虐待をするのは主に保衛指導員?

保衛指導員だからといって皆が皆悪徳なのではなく、人によります。中隊長や小隊長の中にも、ひどいことをする人が多いです。保衛指導員は学があるからか、むしろ言葉で脅迫します。軍隊にだけ何年もいれば人々は少しは悪徳になります。

−最近も国境を越える人が多い?

以前よりは減りましたね。行き来する人だけ行き来するため、連行される人も減りました。

−乾パンも配られる?

私たちは戦闘単位ではなく勤務単位であるため、乾パンと飴が8個入っています。これが勤務用の間食で、1日勤務に出る人に限って1袋ずつ食べるようになっています。夜に夜間勤務で張りこみに出る際に与えられます。持って出たり、小隊長や中隊長が巡察で回りながら与えたりもします。

−警備隊自体の土地が別にある?

山を開墾すれば自分の畑になるので、国境沿線地域に空き地が多いので草刈りをして畑にします。主に栽培するのは豆とトウモロコシです。

−先軍政治で兵士たちが住民に威張り散らしている?

北朝鮮では軍服を着れば「虎の皮をかぶった」といいます。人民たちに恐れられるということです。農作業をしていてシャベルなどが必要になれば民家に借りに行くのですが、なければ目についたものを適当に持っていってしまいます。何も持たずに戻るわけにはいかないので。私たちに盗られても、人民は何も言えないでしょう。もしバレたとしても、「あとで返す」と言えば何も言えないです。

家畜を盗むときには脅迫します。飼い主が逆らうならドアに押し付け「出てくるな!」と大声で叫びます。「連れて行くのは1匹だけだ」と言えば、飼い主もぶるぶる震えて声もあげられません。軍民関係のもつれから起きる事件が多いので一応注意しなければならなりませんが、それでも声の大きい軍人が勝つものです。

−北朝鮮の政権内で紛乱が生じれば、軍人たちが立ち上がる?

国が混乱すれば国境が騒がしくなるものです。それでは警備隊の兵士たちも考えて動かなければならないでしょう。脱北者も密輸も増えるでしょう。そうして警備隊が金正日氏に忠誠を尽くすかはよくわからないです。

−金正恩氏は政治をうまくやっている?

父親(金正日氏)に付いて回るのが仕事でしょう。聞いた話では、父親の現地指導も金正恩氏が全て準備し実行し、CNCで技術革新を実現させていると言うのですが、しっかりと行なっているのかはわかりません。特に期待はしていません。