人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

川を挟んで北朝鮮と向かい合う中国・遼寧省の丹東には、数多くの北朝鮮労働者が派遣され、アパレル工場、水産物加工場などで働いている。その一部が行方をくらます事件が発生した。

中国のデイリーNK情報筋によると、事件が起きたのは今月12日。丹東郊外にあるアパレル企業で働く北朝鮮労働者のうち、男性1人、女性2人が行方をくらました。労働者のほとんどは女性であることから、この男性は管理者である可能性があると情報筋は伝えている。ただし、この3人の関係は同じ工場で働いていること以外にはわかっていない。

なお、中央アジアのウズベキスタンの首都タシュケントにある北朝鮮レストランに勤めていた女性5人が脱北し、韓国に入国したが、うち1人は支配人だった。

(参考記事:「何をされるかわからない」北朝鮮の”美人支配人”が恐れた密室行為

現在、中国当局のコロナ規制や共産党大会開催に伴う警備の強化で、より内陸の瀋陽や長春、吉林への移動は難しいことから、丹東市内で身を潜めているものと思われる。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

北朝鮮の関係者は3人の行方を追うと同時に、労働者のさらなる離脱を防ぐために総力を上げているとのことだ。市内の企業で働くすべての労働者はもちろん、北朝鮮代表部の外交官に対しても本国から外出禁止令が出され、あらかじめ上層部に報告して許可を得ない限りは、一切の活動ができなくなっている。

3人が逃亡を図った動機については明らかになっていないが、可能性として挙げられるのは「帰国計画」だ。

北朝鮮は2020年1月、新型コロナウイルスの国内流入を防ぐために、国境を封鎖した。海外で働く労働者は、たとえ望んだとしても帰国できない状態となり、滞在期間が2年以上延長されていた。そんな労働者について、中国共産党大会の開催後、帰国させて新しい人員と入れ替えるプランが進められ、労働者の間に動揺が走っていた。

(参考記事:【北朝鮮国民インビュー】コロナ鎖国で海外派遣された家族と会えずにいる人々

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

海外派遣労働者に選ばれるために、借金をして選考担当者にワイロを渡した人も少なくないと言われている。その中には中国のゼロコロナ政策の下で工場が稼働をストップして収入が途絶え、借金を返す当てがない人もいる。また、中国ぐらしが長くなり、様々な「帰れない事情」ができた人もいる。

さらに、今回帰国となれば、二度と海外に出る機会が訪れないかもしれない。3人は帰国が迫る中、「中国にいる間に逃げようと決心したのだろう」と考える人が少なくないと、情報筋は付け加えた。

なお、ロシアに派遣された北朝鮮労働者の間でも、ウクライナ東部への再派遣を恐れて脱北する人が相次いでいると伝えられている。

(参考記事:「ウクライナ行きは嫌だ」戦地派遣を恐れ北朝鮮労働者の離脱が相次ぐ