北朝鮮での民主化に向けた条件が成熟していない状況で、対北ビラ散布などの民衆蜂起促進運動が、むしろ民主化の障害になる可能性があるという主張が提起された。
チョン・ソンジャン世宗研究所首席研究委員は24日、プレスセンターで北朝鮮戦略情報サービスセンター(NKSIS)が主催した「北朝鮮の3代権力世襲の進展と科学的な北朝鮮民主化運動の戦略の模索」というテーマの発表で、このように主張した。
同研究委員は「北朝鮮で民主政権を樹立するための代案勢力の組織化と、住民の覚醒などの条件が全く成熟していない状態で、民衆蜂起を扇動するのは無責任な仕事である場合もある」と指摘した。
続いて「北朝鮮体制が短期間で民主化に進むための諸条件は、まだ十分に成熟していない。一部NGOが対北ビラを使用して住民が金正日政権に反対して即座に蜂起する事を扇動しているが、これが現段階で北朝鮮民主化運動として、果たして望ましい方法であるかは熟考する必要がある」と付け加えた。
「北で反金正日運動を展開すると、運動を行った当事者だけでなく、その家族や親戚までも迅速かつ避けることのできない激しい弾圧の対象になる」と指摘した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面また「民主革命のための諸条件が成熟した段階で北朝鮮住民が立ち上がれば、少ない犠牲で成功する。そうでない状態で蜂起すれば無慈悲に鎮圧され、多数の住民が犠牲になることは明白だ」と強調した。
「現時点では、性急に住民蜂起を促すのではなく、長期的な視野から着実に北朝鮮住民を覚醒させ、『決定的な時期』に住民蜂起を組織し、民主政府を樹立することができる代替勢力の形成と組織化に力を集中することが望ましい」と主張した。
北朝鮮内の改革勢力を形成するための方策について、「北朝鮮に兄弟や親戚、友人を残している脱北者らが中心的な役割をしなければならない。韓国政府は、脱北者と北朝鮮内の改革勢力との連結、改革勢力の影響力拡大を支援しなければならない」と注文した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面続いて、北朝鮮内に改革勢力が形成される環境作りの必要性を力説し、「北のパワーエリートが改革開放と民主化に協力的な態度を取る場合、韓国政府と社会が新しい民主政府の樹立に彼らを参加させるという抱擁的な立場を取る事が必要だ」と提案した。
「北朝鮮体制が民主化される場合、数が少ない脱北エリートらが、全ての分野と地域を管掌出来ないだろう。北朝鮮のパワーエリート集団の分裂を誘導し、改革性向のエリートを新政府樹立に参加させることが望ましい」と説明した。
チュ・ソンn東亜日報国際部記者も「2012年の金正恩の全面登場と今後の統一問題」という発表で、「北朝鮮の政治体制転換過程で、北朝鮮住民を代表する民主的な政治勢力を構築するのは重要な課題。韓国出身の政治家勢力が北を代表するのではなく、北朝鮮住民が自らを代表できるようにし、韓国はこれを側面から支援しなければならない」と主張した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面引き続き「韓国に対する不満が高くなる場合、労働党員の求心点とする反韓勢力が力を付ける可能性を排除せずに対策を講じなければならない。北朝鮮での人材発掘が非常に重要であり、今から、北朝鮮出身の人物を積極的に発掘するための方案を用意しなければならない」と付け加えた。