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延坪島砲撃1周年を2日後に控えた21日午後。延坪島住民は、あの日の傷が癒えたかのように穏やかな撫?セった。ワタリガニ漁を終えた住民は網の整備に余念がなかった。冬到来を控えて、キムチの漬け込み準備で住民は奔走していた。砲撃で破壊された家屋や倉庫、避難所も締めの工事の真っ最中だった。

しかし、穏やかな人々の内面には、北朝鮮の奇襲砲撃によるトラウマ(心的外傷後ストレス障害)が染み込んでいる。韓国軍の砲撃訓練放送でも、あの日の悪夢が思い出されるほどだと住民は口をそろえて話した。

キムチ作りのために庭で唐辛子を干していたキム・ヨンニョ(81)さんは「今は大分大丈夫になったが、訓練放送を聞くだけでも不安で恐ろしい」と話した。島を離れたくとも生計問題や行き場もなく、ここで暮らすしかないと胸の内を明かした。

キムさんは砲撃当時、警察の助けを借りて着の身着のままバンカーに避難したという。「しばらくの間はバンカーで乞食の様に生活した」とし、当時の苦しい状況を伝えた。

村民は砲撃後から貴重品をカバンに入れて保管する習慣が生まれたという。北の砲撃攻撃が再び発生すれば、必要な物をすぐに持ち運び出来る様にするためだ。

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延坪島で生まれて以来一度も島を離れたことがないというイ・ヨンウン(57、男)さんも「今は非常に平穏を保っているが、今でもドスンという音がすれば驚き、怖い」と話した。

「軍が訓練前に案内放送を行なっているが、今では軍の訓練砲射撃音が以前よりも大きく聞こえる。住民も神経が敏感になり苛立っている」と住民の不安な心境を伝えた。

食堂を運営する住民も砲撃後から「住民が非常に敏感になった」とし、以前のような近所付き合いがしにくくなったと打ち明けた。砲撃は住民に家屋などの物的被害だけでなく、住民らの温かい情を奪ってしまった。

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延坪島の小・中・高校生は140人ほど。学生には砲撃による恐怖や精神的なショックがより大きい為、心理ケアーが絶対的に必要な状況。

延坪小学校のイム・ノジン教頭は「現在となっては、多くの子供たちも安定を取り戻したが、今もトラウマは治癒されずに残っている」と述べた。学校レベルでの学生の心理ケアーへの取り組みとして、特殊教育支援センターが心理的情緒的相談活動や音楽療法、花づくり事業などを行なっていると紹介した。児童文学者を招き、作家との対話による治療も行われている。

一方、住民に対する政府レベルの心理ケアーが行われておらず、対策が急がれる。

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60代のある住民は、当時の砲撃について「死ぬまで忘れられないだろう。今もPTSDがひどく、時々フラッシュバックする場合もある」と明らかにした。延坪島砲撃は住民だけではなく、動物にまで影響を及ぼした。住民によると、ペットも訓練砲音が聞こえると隠れて出てこないという。

甕津郡は砲撃後から、延坪島に7つの避難所を新設・改造工事を行なっている。延坪小学校の隣に位置する第1号避難所は地下2階建てで、延坪島の人口1千600人の30%に達する500名を収容できる規模だ。また、延坪面事務所の裏庭の地下1階には50?の壁で構成された避難所が建設される予定であり、1階〜2階には延坪保健支所が設置される。

新たに建設される避難所は、緊急時に住民が長期に渡って不便なく過ごせるような施設が作られる予定だ。チェ・チョルヨン甕津郡産業チーム長は「現在建設中の避難所は、有事の際に調理、運動、洗面など、長期間生活できるようになっている」と説明した。

砲撃後には、軍が緊急放送を面事務所を通さずに、直接村に放送出来る様にした避難マニュアルも追加された。また、住民の避難訓練の参加も増えたという。

チェ長は「毎月海上訓練が行われているが、砲撃音が聞こえるだけで不安になる。(以前は)軍が砲射撃の前日に案内放送をしても避難訓練に参加しなかったが、今は自発的に参加している。それなりに安堵感を持てるようになった」と話した。

昨年の砲撃では、ソ・ジョンウ下士とムン・グァンウク一等兵のほか、民間人のキム・チベクさんペ・ボクチルさんが死亡した。当時キムさんと共に勤務中だったド・チルソンさん(57)は「軍の部隊独身者宿舎を建設していたが、1次砲撃後に私を宿舎に連れ戻してくれた後に、工事現場に戻った際に惨事にあった」と当時を説明した。ドさんは「本当に優しくて誠実な方だった。私が最後まで引き止めなければならなかったが、それが出来ずに垂オ訳ない」と苦しい心情を明らかにした。

砲撃で全壊した45棟。この内の13棟は引越しを終えており、残りの32棟は早ければ今週中に入居する予定。一部破損した家屋は260棟ほど。しかし、全壊家屋には家屋新築を支援するが、一部破損家屋への政府の支援が決まっておらず、政府への怒りが募っている。