「再び立ち上がれない」北朝鮮大学生に”見せしめ重罰”の過酷な運命

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北朝鮮で、大学生ら20人が、韓流コンテンツを視聴したり、販売に関わったりしたとして、公開裁判にかけられた。

デイリーNKの内部情報筋によると、公開裁判は8月13日の午前10時から2時間にわたって、黄海北道(ファンヘブクト)沙里院(サリウォン)市の競技場で行われた。動員された市内の大学生、高級中学校(高校)の生徒が見守る中、20人の被告が引き立てられてきた。

その内訳は、桂応相(ケウンサン)沙里院農業大学の学生5人、李桂荀(リ・ゲスン)沙里院第1師範大学の学生4人、沙里院工業大学の学生2人、市内の高級中学校に通う生徒2人などだ。

公開裁判の司会者は、朝鮮労働党が反社会主義・非社会主義との闘争を強く繰り広げることについての方針と指示を下したのにもかかわらず、ノートパソコンや携帯電話に、退廃的な南朝鮮(韓国)映画や音楽を保存し視聴していたと、罪状を述べた。

中でも、沙里院工業大学の学生2人は、韓流の販売に関わって摘発され処罰を受けたにもかかわらず、再び学費の調達のため、2年間にわたって、USBメモリやSDカード数百個に韓流ドラマ、映画、K-POPのPVをコピーして未成年者を雇い、市内の大城(テソン)市場と駒泉(クチョン)市場で販売させていた。

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この2人に対しては、反動思想文化排撃法の不順録画物の流通及び販売の罪で、15年の労働教化刑(懲役刑)という重い判決が下された。他の18人に対しては、7年から10年の実刑判決が下された。

裁判は、「社会の目を盗んで不順録画物を見たり販売したりして摘発されれば、理由の如何を問わず、再び立ち上がれないほどの処罰を受ける」との警告で、締めくくられた。

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「学費調達のため」という犯行動機を見て、「北朝鮮では教育は無料ではないのか」と首を傾げた読者もいるだろう。だが、それは北朝鮮当局のプロパガンダに過ぎない。実際は、入学から卒業に至るまで、様々な「費用」を要する。つまり、教授や大学関係者へのワイロだ。

そのために、犯罪に手を染めたり、売春を行ったりする学生が跡を絶たないのが、北朝鮮の学生生活の現実だ。そもそも、韓流コンテンツを見たからと懲役刑に処される国は、北朝鮮以外に存在しないだろう。

(参考記事:女子大生40人に鬼畜行為…金正恩「教育はタダ」の嘘と闇

今回の事件を受けて、取り締まり組織の82連合指揮部は、市内の教育機関を対象に集中検閲(取り締まり)に乗り出したとのことだが、そこは「上に政策あれば下に対策あり」のお国柄。

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首都・平壌の名門大学のエリート学生が開発した、取り締まりの目から逃れて、韓流を思う存分楽しめるソフトが秘密裏に出回っている。流行に敏感で、ある程度経済力のある学生は、取り締まりをよそに、韓流三昧を決め込んでいることだろう。

(参考記事:金正恩も歯が立たない、北朝鮮「裏スマホアプリ」の実態