北朝鮮は、来年の金日成誕生100年行事などの大規模な政治的イベントを控え、外貨の確保に苦心していることが分かった。

内部消息に精通した対北消息筋は「北朝鮮当局は住民が保有、住民に渡らなければならない外貨を様々な方法で恐喝している」と伝えた。

消息筋によれば、北朝鮮は海外派遣労働者の月給(200〜1500ドル)の70〜90%を様々な名目で搾取しており、最近では一般住民が保有している少額の外貨まで奪い取っている。

また、各機関団体が住民が保有している外貨や金を競って買収していると消息筋は伝えた。

貿易銀行は、外貨両替の際には闇市場の為替レートの1ドル2800ウォンを適用し、住民へのアピールを行なっている。対外貿易機関も平安道地域の金鉱に出向いて金を買取、住民からは相場よりも高い価格で金を購入していると消息筋は伝えた。

北朝鮮は2009年末の貨幣改革以降、通貨発行の乱発によってインフレが続いている。これまでは収穫期になるとコメ価格が下落したが、今年は8月の2200ウォンから10月には3000ウォンにまで上昇する珍しい現象が起きている。

北朝鮮当局が外貨や金を大量に購入しているが、インフレを隠れ蓑にした住民の財産を強奪する手口に過ぎないと専門家らは分析する。

丹東と新義州で取引をしている中国人業者が「最近では、携帯電話が北朝鮮政権の新たな恐喝の手段として悪用されている」と言及したと、消息筋は伝えた。

消息筋は「北朝鮮の逓信省は、中国の中興通訊、華為などから80ドル程度の携帯を輸入し、これを住民に300ドル程度で販売する事で沫??゙さぼっている」と明らかにした。 累積販販売台数が70万台に上り、この販売価格も140ドルである事を考えると、推定で約2億5000万ドルの外貨収入を得た事になる。

また、北朝鮮は携帯電話加入者100万人を目標に促販を行なっており、市・道の逓信所に販売量を強制的に割り当てており、携帯電話を通じた外貨収入は増加する見込みだ。

これに加えて北朝鮮は海外同胞も外貨稼ぎの対象としている。北朝鮮はアメリカ在住の離散家族に肉親との再会を餌に訪朝を誘惑し、訪朝の経費や周旋手数料などで数千ドルを要求している。

また、再会後も北朝鮮の家族を使って送金を強要したりするが、十数年に渡って送金要求の手紙を受けている同胞もいると消息筋は伝えた。

週刊誌AERAの報道によると、在日朝鮮総連系の高齢者を「月3万円で北朝鮮で十分に生活出来る」と巧みに騙し、死亡した際には月々12万が支払われている年金を着服しているという。

開城工団地の北朝鮮労働者や入居企業も外貨稼ぎの対象である。開城特区総局は今年8月、企業がインセンティブとして労働者に直接支給していたチョコパイの現金変換と一括支給を要請した。これはチョコパイの流入に伴う韓国への羨望の拡散防止と外貨収入が目的であると思われる。

これだけでなく、幾つかの企業には根拠のない賃金の引き上げや、保険金支払い能力が検証されていない北朝鮮の保険会社との高価な火災保険の加入を推奨している。開城工業団地入居企業のうち60数社だけが、北朝鮮の火災保険に加入している。

消息筋は、北朝鮮住民が個人的な席で「ありとあらゆる方法でお金を奪われる。政権は泥棒であり強盗だ」と露骨に不満を吐露していると伝えた。

多くの専門家らは「北朝鮮は金正日父子の偶像化のための政治行事を開催する為に、自らが新たな体制の負担要因を作っている。持続可能な外貨獲得を行うには、抜本的な改革開放をを通じた国際競争力の確保しかない」と強調した。

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