金正恩が後継者として公式化されてから1年が経過し、3代世襲の成否に対する様々な観測が出されている。
北朝鮮権力層の安定と金正日の健在は、安定的な権力継承の可能性を高めている。しかし、ますます悪化する経済状況と民心の悪化、権力エリートに対する掌握力の低下などは、金正恩時代の不安要素として指摘されている。
チェ・ジンウク統一研究院専任研究委員は、最近発刊された統一外交安保専門誌「NK Vision」11月号の(通巻29号)専門家座談会で「金正恩は、金正日の様な独自生存を行う能力がない。中国に多くを依存するしかなく、結果として親中政権となる可能性が高い」と主張した。
続いて「金正恩が執権し数年は上手くいくだろうが、数年以内に民衆蜂起が起こる可能性が大きい」と展望し、権力移譲までは成功するが、その後は体制の不安定性が高まるという指摘である。
座談会に参加した国家安保戦略研究所のイ・ドンギ責任研究委員は「金日成、金正日の時代までは、権力エリートと首領の関係、首領と住民の関係が運命共同体として認識されてきた」と述べたが、金正恩時代はこのような関係が維持されないとの見通しを示した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面同研究員は、首領と権力エリートの運命共同体から「利益中心」の関係に自然的に転換していると分析した。結局、金正日死亡後にエリートに権利を与える事が出来ない金正恩に対し、忠誠を誓う誓う事はないだろうという事である。
続いて、金正恩体制の成功は「政治的に必要な資源をどう確保するかがカギ。おそらく、この様な背景から中国、ロシアとの関係に気を使っている様だ」と付け加えた。
2012年強盛大国入りと関して「北朝鮮は1989年の世界青年学生祝典をきっかけとして経済的に2度の大きな失速を強いられた。2012年は北にとってのチャンスではなく、下手をすると失速するきっかけになりうる」と指摘した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面チェ研究委員も「北朝鮮当局としては、安定した雰囲気の中で祝祭を開きたいと思うのが第一希望である。有耶無耶にしてしまうと政権の地位と体面が地に落ちてしまう」と述べ、これを核実験や局地挑発でカバーする可能性が高いとの見通しを示した。
続いて、天安艦・延坪島挑発の背景について「貨幣改革失敗後に、外部からの脅威を遮断するため。南北間に緊張を造成することで、外部からの脅威やリスクを遮断し、相互に対等な関係を作る事で体制を守ろうとした」と説明した。
イ研究委員も、天安艦爆沈、延坪島挑発は北朝鮮が対内外的な様々な側面を勘案して敢行した挑発とし、「先軍政治10数年間で軍部が肥大化しながら、後継者として軍部の支持、軍隊を掌握するためのきっかけが必要だった」と分析した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面11月号ではこれ以外にも、金正恩後継体制1年の評価と展望、全国的に広がっている「統営の娘」申淑子母娘の救出運動の活動の内容が含まれている。
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