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中国との国境に接する北朝鮮の平安北道(ピョンアンブクト)新義州(シニジュ)では、北朝鮮が国内でのコロナ感染者発生を認めた12日以降、5人が国境の川を渡って脱北、中国で逮捕された。

近年の中朝両国の国境警備の強化に加え、2020年1月以降のコロナ鎖国により、国境を通じた脱北は極めて困難になっているが、そんな中で短い期間に5件もの脱北事件が起きたことに、現地住民は様々な反応を示している。平安北道のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

(参考記事:北朝鮮「中国でコロナ陽性」3人を処刑か…金正恩が直接指示

ある住民は「天のくれた千載一遇の機会だったのに、成功できずに逮捕された」と残念がった。そもそも移動禁止令が出され、一部の地域では外出すらままならない状況となっているのに、脱北を敢行できたことに対して「今のような時期に脱北を試みるとはすごい」との反応を示す人もいたとのことだ。

「言葉は統制でも、実際は監獄暮らし以上に殺伐としている。国境沿いに接近はおろか、町内を出歩くのも難しいのに、(国境を流れる)鴨緑江を越えたのはすごいこと」(住民の声)

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一方、脱北のせいで地域に対する締め付けが厳しくなるのではないかという懸念の声も上がっている。

「今がどのようなときなのに脱北をするのか」
「脱北したのなら捕まるな。(北朝鮮に)残っている人がもっと苦しくなる」(住民の声)

越境に成功したのは、誰かの助力があったからではないか、との声もある。

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「国境はもちろん、空と海まで徹底的に封鎖された状況で、誰かがバックについていなければ、一般住民がどうやって脱北できたろうか」(住民の声)

社会安全省(警察庁)は2020年8月、国境から1〜2キロのエリアを緩衝地帯とし、許可なく接近すれば無条件で銃撃するとの布告を出している。また、今回脱北事件の起きた新義州(シニジュ)近辺には哨所(検問所)が多数存在し、かなりの地位にある者以外は、自由に行き来できない。

そのような実情を考えると、有力者の助力があったと考えるのもごく自然なことだろう。

(参考記事:金正恩命令も無視…北朝鮮「特殊部隊」のやりたい放題