中国が新型コロナウイルスの抑え込みに躍起になっている。最大都市・上海でのロックダウンは日本でも大きく報じられているが、それに先立って感染者が急増した吉林省各地でもロックダウンに入っている。
吉林省衛生健康委員会の発表によると、7日の新規感染者は617人に達したが、なりふり構わぬ対策の効果があったのか、25日には44人まで減少した。ただ、国境の川を隔てた向う側では依然、戦々恐々としている。
(参考記事:中国・吉林省でコロナ感染拡大、注目される隣国北朝鮮の反応)中国・遼寧省と国境を接する平安北道(ピョンアンブクト)のデイリーNK内部情報筋によると、当局は今月初旬、国境警備隊員に対して防毒マスクを着用して勤務に当たるように指示を下した。「新型コロナウイルスがタンパク毒素に変異した」という判断に基づくものだとのことだが、真偽は不明だ。
また、先月には吉林省と国境を接する慈江道(チャガンド)中江(チュンガン)に駐屯する国境警備隊員にも同様の指示が下されている。ただ、国境全域で同様の命令が下されたかは確認されていない。
圧着ゴムで作られたマスクを長時間着用するのは困難であるため、外部で警戒に当たる際にのみ着用しているものと思われる。隊員の間では「ウイルスが風で飛んでくると言われているが、そんなことがあるものか」と疑問の声が上がっているという。
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また、「去年は飛んできた鳥も朝鮮の地を侵犯すれば銃撃せよとの命令を下していたが、今年は中国から流れてくる空気も吸うなと言っている」と皮肉る声も上がっているそうだ。
(参考記事:北朝鮮の特殊部隊が中朝国境で無差別射撃、男性1人死亡)なお、国境付近の住民に対しては、混乱を恐れてか情報が伝達されておらず、防毒マスクを着用した国境警備隊員を見て、冬季訓練の一環だと思いこんでいるとのことだ。