北朝鮮の挑発はあるのか?
多くの北朝鮮専門家や安保専門家たちは可能性が高いと見ている。またその兆しもある。李明博(イ・ミョンバク)大統領の訪米に合わせて白翎島(ペンニョンド)に近い北方境界線(NLL)付近で戦闘機、地対空ミサイルなどが配置されたことが確認された。
白翎島NLLの北側・熊津(ウンジン)半島には北朝鮮・人民軍の西海(ャw)海軍基地が集中し、多くの海岸砲が配備され、西海の5島に向かって砲身を向けている。東北方向に位置する苔灘(テタン)飛行場にはミグ戦闘機が配備されている。こういった前線基地へ兵力を配置させたことは南への攻撃意志を示しているともいえる。
韓国政府関係者は、この時期に軍事挑発を起こす可能性が高いと見ている。軍事挑発がない場合は朝鮮半島の緊張を高めるレベルに過ぎないが、核問題などの対北政策の協力の確認や米韓FTAが米議会で通過するなど、米韓の間で同盟がさらに強まろうとしているこの局面で、あえて強硬姿勢に出るという意図が伺える。
昨年の天安艦、延坪島事件でわかったが、北朝鮮の挑発の時期と方法を予測するのは難しい。その要因の一つは『挑発を通じて得ることより失うことのはるかに多い』という韓国の思考方式で推し量ろうとするからだ。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面『中朝が近づけば、中国によって北朝鮮の挑発が抑えられる』『韓国の経済支援が必要な北朝鮮は挑発やりにくい』『来年の大統領選や総選挙を控えてわざわざ韓国世論を悪化させるような極端な行動には出ない』
韓国社会の北朝鮮の挑発に対するアプローチは常にこうだった。
しかし、北朝鮮はこれ見よがしに天安艦を撃沈させ延坪島に砲弾攻撃を浴びせ、民間人の犠牲者まで出した。ソウル市長の某候補は、その責任を李明博政府に転嫁したが、北朝鮮の挑発は李大統領が執権する以前の宥和政策=w太陽政策』を取っていた時期にも行われていた。北朝鮮政府は、必要ならば果敢に挑発行動に出るだろう。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面ピーターソン研究所のマーカス・ノーランド副所長は、著書『変化の目撃者(Witness to Transformation)』で北朝鮮の意志決定について研究した結果、外部要因が内部の意志決定に及ぼす影響は非常に小さいと明らかにした。昨年の天安艦、延坪島事件も、後継者問題に関連して行われた可能性が大きいという。
今年の北朝鮮の挑発の可能性は一層高まった。天安艦、延坪島攻撃は金正恩の『軍』に対する掌握力を高めた。また、付随的だとしても、韓国内での深刻な分裂を起こし親北勢力の選挙の勝利を援護射撃した。来年の2012年、韓国は総選挙と大統領選挙があり、北朝鮮は強盛大国の成果を住民に示さなければならない。
今回の白翎島の北朝鮮軍の動きは挑発の前兆と見るべきだ。訪米中の李大統領は出国前に報告を受け「万が一、北朝鮮が挑発すれば強力に報復しろ」と韓国軍に指示したという。軍の統帥権者である大統領の断固たる意志以上に重要なのは韓国民の姿勢だ。ある程度のリスクが伴おうとも断固たる報復を通じて、北朝鮮が追加で挑発しようとする意志を折るという勇気と決断が必要だ。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面北朝鮮は、近いうちに挑発を通じて韓国社会をテストするだろう。