韓国政府が新たに展開している対北政策における柔軟性の発揮が、今後の南北関係に与える変化に感心が集まっている。
柳佑益(リュ・ウイク)統一部長官は、就任演説や国会の国政監査などを通じ、「柔軟性の発揮を通じた南北関係の変化の模索」を表明してきた。実際に統一部長官が交代した以降、民間団体の対北人道支援が本格化され、先月21日には曹渓宗総務院長など7大宗教代表者の訪朝も許可した。
特に、ハンナラ党代表が初めて開城工業団地を訪問し、統一部は訪問の後続処置として5.24対北措置以後に中断されていた開城工業団地内の建築・建設事業の再開を可能にした。また、消防署や医療施設の設立を早急に推進する方針だ。
韓国政府の一連の措置の背景には、現在の閉塞した南北関係の改善に一定の助けになるとの期待感があるからである。統一部当局者は12日、「工業団地の建設工事再開を許可などは、5.24処置や現在の対北政策の原則を守りつつ、開城工業団地で柔軟性を発揮する。これらの措置は、今後の南北関係の発展に役立つと判断している」と明らかにした。
対北消息筋も「柳長官は、民間交流協力の次元での柔軟性の発揮により、現在の南北関係で新たな突破口を開こうとしている。南北関係の緊張緩和を期待している」と明らかにした。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面洪準杓(ホン・ジュンピョ)代浮焉Aこの日のラジオ演説で「梗塞した南北関係の突破口を開くと同時に、政府の対北政策が今よりも柔軟な相互主義に転換する契機を作るという気持ちで行ってきた。開城工業団地は南北経済共同体を構築する出発点であり、平和共同体への重要なポイントであるだけに、より弾力的で柔軟に対処しなければならない」と注文した。
しかし、北朝鮮の変化を誘導出来ない一方的な措置では意味がないという指摘がある。特に、対北水害支援では、北朝鮮の受け入れの意思とは無関係に支援物資を準備したが、北朝鮮は最終的にこれを受け入れず、韓国は支援を撤回している。
また、柔軟性の発揮が南北関係の具体的な発展をもたらすよりは、現状悪化を食い止めるその場しのぎに過ぎないとの評価もある。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面チェ・ジンウク統一研究院研究委員は、デイリーNKとの通話で「柔軟性の発揮は、緊張した南北関係を緩和させる効果はある。この措置によって北朝鮮との接点が増加し、北朝鮮の態度次第では次のステップへの発展も考慮出来るだろう」と説明した。
しかし「天安艦・延坪島事件によって身動きの幅が広くない韓国政府が、南北関係の発展までけん引するには厳しい状況。北朝鮮の態度の変化が先行されない限り、柔軟性を発揮する効果は緊張緩和にとどまるだろう」と展望した。