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北朝鮮の金正恩総書記が最近、演説などで繰り返し言及した三池淵(サムジヨン)。大々的な再開発工事の完了に伴い、真新しい集合住宅に多くの住民が入居した。オール電化の暮らしやすい住宅、充実した公共施設を褒め称え、全国の農村のモデルにしよう、と言った具合の国営メディアの報道も相次いでいる。

だが、プロパガンダと現実には乖離があるのが北朝鮮の常だ。住民からは早速不満の声が上がっていると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じている。

現地の情報筋は、全国から動員された建設労働者の汗と努力で小さな山の中の町が異国的な姿に変貌したと評価しつつも、入居した住民は不便な暮らしを強いられていると述べた。それは停電のせいだ。

上述の通り、三池淵市内のすべての住宅は、炊事と暖房を電気で行うオール電化となっており、その珍しさに入居者は喜んだものの、それも最初だけ。頻繁な停電により、炊飯すらできない状況になっているのだという。

かつての家にはかまどがあって、停電になっても何の問題もなくごはんが炊けたが、入居した新築住宅にはかまどがなく、代替策がないのが現状だ。情報筋自らも「停電になって、ちゃんと炊けていないごはんをたべて出勤したことが一度や二度ではない」と明かし、住民は見かけがいい今の住宅よりも、かまどのあったかつての家を懐かしんでいると述べた。

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現地の別の情報筋は、暖房の問題に言及した。停電で暖房が切れて、寒さに震えて夜を過ごすことが多いのだという。白頭山の麓にある三池淵は、標高1000メートルを超えるところも多く、夜には氷点下30度以下になることもある、北朝鮮で最も寒い地域だ。停電になれば暖房が使えず、かつての家では普通に使えた温水も使えないため、生活するのに非常に不便だという。

地域の発電を担っているのは、近隣にある中小型水力発電所だが、もともと降水量が少ない上に、今の時期は雪解け水が期待できず、充分に発電ができないのだという。この点では、大型のダムとて事情は同じだ。

他の地域では、住民個人がソーラーパネルを購入し、自宅で使う最低限の電気を賄っている。三池淵市内の住宅はプロパガンダ用に建てられたこともあって、ソーラーパネルの設置が認められていない可能性が考えられる。

(参考記事:制裁で停電相次ぐ北朝鮮で「電気毛布」が人気を集めるワケ

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見掛け倒しの新しい住宅に、情報筋は不満をぶちまけた。

「この地域は木が多く、かまどさえあれば冬に停電になっても、薪をくべさえすれば、冬を暖かく過ごし、温水も使えた。当局はそんな事情を考慮せず、かまどがない、見かけだけ良い家を建てたのだ」

こんな状況に、住民の一部は、市当局に対してかまどの設置を要求するに至った。同様の問題は、三池淵に先駆けて建設が行われた首都・平壌でのタワーマンションでも起きている。電気の供給が保証されている権力層の住む高級マンションを除いては、練炭の使えるかまどがあり停電時にも対処が容易な、旧式の低層マンションが好まれるのが現状だという。

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(参考記事:平壌新築マンションに衝撃の事実…「暖房なく部屋が氷結」

問題は暖房、炊事だけにとどまらない。国営の朝鮮中央テレビが放映した三池淵建設のドキュメンタリー番組に登場した関係者は、セメント不足から、ジャガイモのでん粉と練炭の灰を混ぜて作ったレンガを住宅建設に使用したと明らかにした。

現在、活動は小康状態だが、近隣の白頭山は活火山だ。火山性地震による建物の崩壊は、決してありえない話ではないのだ。

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