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デイリーNKは昨年5月末頃、朝‐中国境地帯で13人の脱北者、北朝鮮住民、国境警備隊員、対北朝鮮貿易業者等に会いました。(収録インタビューは11人)様々な危険要素がある朝-中国境地帯をあえて訪れた理由は「今日の北朝鮮」についての正直でリアルな証言を得るためでした。

北朝鮮住民との出会いを通して、北朝鮮に巨大な民心の変化が起こっているということを知ることができました。インタビュー対象者の大部分は、既に北朝鮮住民の中に韓国や中国の発展像について知らない人がほとんどいないと言います。首領によって支配されていた意識が目覚め、外部社会と北朝鮮を比較することができるようになったという意味です。

自身をインテリ出身と紹介した50代の男性は、「口では将軍様(金正日氏)を慕っていると言うが、心の中は違う。貨幣交換システムができてから考え方が180度変わった」と言いました。自身が血と汗で稼いだお金を国家が強奪していったのに、頭に来ない人はいないということでしょう。

本には、彼らが伝える食糧難の実像も生々しくこめられています。これは大切な情報です。単純に北朝鮮の住民達が飢えているというのを知ることと、彼らが一日何食何を食べるかを知ることは違います。知ることが関心であり愛であるはずです。

インタビューの内容をよく読めば、北朝鮮住民がなぜトウモロコシでさえも食べることが難しいのか、なぜ家族の無理心中が急速に増えているのか知ることができます。北朝鮮の母親達は、今日1日家族にひもじい思いをさせないように数女「の道のりを歩き市場に向かい、父親達は協同農場の食糧倉庫からお米をくすねるため夜道を急ぎます。

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だからといって北朝鮮が暗く孤独なだけではありません。彼らは朝鮮半島の北部であり、アジアの一員です。その証拠が韓流です。北朝鮮の主要都市では既に『ヒョンビンブーム』が起こっています。流行に敏感な平壌の青少年達は、並の韓国人よりも沢山の韓国人俳優とガールズグループを知っています。ある50代の北朝鮮人男性は、朱蒙に出ているハン・へジンを一番美しい女優に選びました。

彼らはまた、韓流をもじって豪衣豪食する北朝鮮の幹部達を皮肉っています。中央党、保衛部、軍部等、権力によって秘密資金を得た人々や、彼らの家族で商売をしてお金を沢山稼いだ人々は、化粧品でもなんでも全て韓国製品を使うということなのでしょう。北朝鮮で、貧富の格差と同じくらいに幹部と住民の間の溝が深くなりつつあります。

北朝鮮の住民達が伝えるリアルな情報に接した後、読者達は北朝鮮の金正日と住民を区別する目を持つことになるかもしれません。それならば、北朝鮮の地の主である北朝鮮の住民達がどうしてこのような辛い環境の中で生きていかなければならないのか、このような現実をどのように変えていかなければならないのか、一緒に考えていただければ幸いです。

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答えはまさに北朝鮮の住民達にあるのではないでしょうか?彼らは自分達の持っている力があまりにも小さすぎると言います。それに比べて金正日の独裁は息つく間も与えません。しかしそんな場所にも希望が育っているということを私達は知ることができました。この本から希望を見つけ出してください。

本の出版に関わった全ての人を代表して デイリーNK 編集局長 錘?