人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

北朝鮮に抑留されている申淑子(シン・スクチャ)母娘救出運動が全国民的な運動に拡大する兆しを見せている。申淑子さんは、ドイツ留学(ソウル大学卒)中に夫である呉吉男(オ・ギルナム)さんと共に1985年に北朝鮮に渡ったが、北朝鮮の実体を知った後に呉氏は脱北。垂ウんは二人の娘と共に政治犯収容所に収監され、非人道的な扱いを受けている。

垂ウんは、教授職の提供と特別待遇を約束したユン・イサンの誘いに乗り北朝鮮入りしたが、夫が留学生の抱き込み任務を引き受けることになると、「私達はこうなってしまったが、他人を巻き込んではならない」と夫に工作中止を断固として要求した。また、夫だけでも脱出させようとし、自身は政治犯収容所に連行される程の犠牲精神を持った人物である。

救出運動は北朝鮮人権団体のセイジコリアが先駆けである。垂ウんの故郷である統営(トンヨン)で政治犯収容所の展示会を開催し、母娘が収容所にいる事実を伝える運動を開始した。

統営現代教会のバン・スヨル牧師を中心に推進されている署名運動は、今月中旬までは2万5000人水準だったが、この数日間で7万人を突​​破した。現在、署名運動には、韓国自由総連盟と春川キリスト教連盟などが積極的に乗り出しており、金文洙(キン・ムンス)京畿道知事も署名を行っている。

国家人権委員会も救出運動に関連した討論会を開催する。ジャン・グァンシク国家人権委員会事務官は「申淑子母娘救出運動と政治犯収容所問題を公論化するため、来月5日に討論会を開催する」と明らかにした。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

慶南地域の韓東大と垂ウんが卒業した馬山大学でも救出の署名運動が展開されるなど若い層の参加も加速している。大学生たちは、オンライン上で政治犯収容所に関するサイトを作成する計画を持っている。 22日に呉吉男氏が馬山大を訪問した際には、大学生が彼の周りを囲んで母娘の救出を決意した。

救出運動が国民的関心事に浮上した最大の原因は、金正日独裁によって罪のない女性が人生が踏みにじられた現実に対する同情と怒りだ。平凡な家族を誘引・拉致し、人生を踏みにじった行為は決して許されない残虐な犯罪行為であることに国民が同感しているのだ。

脱北者の証言から垂ウん一家は1990年代後半まで生存したと伝えられている。10年前の証言であることから客観的な確証はないが生存の希望を失うにはまだ早い。救出運動は名分と当為ではなく、三人の命を救う運動といえる。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

日本では1990年代後半から横田めぐみさんを含む拉致被害者救出運動が全国民的な広がりを持ち始めた。そして、2002年に小泉純一郎元首相が金正日と会談。金正日は拉致を認めたうえに被害者の生存確認を行いって数人の被害者の帰国を実現させた。

その後、日本政府の対北政策は明確となったが、これは日本社会が北朝鮮政権の犯罪的な属性を把握したからだ。

今後、韓国で垂ウん救出運動が拡がれば天安艦・延坪島事態に続いて、韓国民に北朝鮮の本質を正確に伝え、把握される新たなきっかけになるかもしれない。