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ソン・ボンソン氏は「金正日の女性関係は、現代の指導者として例外的であるのは異論がない」「金正日の行為の中でも、舞踊家を裸にして踊らせたり、幹部も裸体で彼女たちと踊りを踊らせたことは、一種の性倒錯であると思われる」と述べた。

朝鮮労働党書記を務めた黄長ヨプ氏は「金日成は自分の政治的利益のために独裁をするという印象を与えているが、金正日は独裁自体に喜びを感じているような印象を与える」と語った。金正日は誰も信じないため、自分と最も身近にいる人、権力がある人であればあるほど一層徹底的に見張る。

金日成は中央党の職員を別に見張る部署を置かなかったが、金正日は本部に党委員会を置いて、互いに監視、批判させ、組職や思想を指導する課と秘密情報事業を指導する課を別に置いて、二重三重に見張って統制した。

黄氏は1979年に再び党中央の書記に復帰した当時、以前感じた最高首脳部で働くという喜びややりがいはなく、「独裁者の逆鱗」のすぐそばで怪我をしないか心配しながら、緊張を解くことができない心細い生活を送ったと証言している。

金正日は、人々が睦まじく過ごすのが好きではなく、相互に監視と批判をさせ、相互批判では金正日の思想と指示に忠実だったのか、忠実ではなかったのかを基準にするため、相互批判が強化され、党員たちが激しく戦うほど金正日の権威は高まる。彼は党員たちの生活を穏かな状態に置くことに反対して、常に波風を起こしていじめるのが好きだ。

親筆の署名による「提議書政治」

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金正日は人々に直接対面するよりは、提議書(報告書)に親筆署名をして指示を下す。会議の空間を通じて相手の意見を取り集めて、自分の論理を説得する過程は略したまま、自分の独断的な考えのみを先に立たせるためだ。

党中央と内閣、外務省、軍隊、人民保安省、国家安全保衛部などが直接上げる提議書は漏れ無く読み、自分が直接結論を送り届ける。金正日総書記の政治は人を通じた政治ではない提議書政治だ。

金正日が側近たちを集めて主催する宴会の場でも、金正日特有の皇帝意識が現われる。パーティで、少し酔った後は、金正日一人に対してだけ絶対的敬意を表するため、他の人々の間では職位についてとやかく言わない。パーティでは金正日一人以外は誰も認めないようにと指示し、宴会の席でも絶対指導者の権威を完成させようと試みるというのだ。

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金正日はいつも、集まりがある度に2つの注意事項を強調する。その1つは党の秘密を守りなさいということであり、もう1つは個別に幹部たちに対する幻想を持たないようにということだ。公開されたものよりも、秘密裏に何かをするのが好きで、他人がよくできることを好まず、やきもちを焼くことは金正日の性格上の特徴のようにも思われる。

金正日は忠実な部下も大衆の信望があればやきもちを焼き、他の国の指導者が大衆に信望があってもやきもちを焼くという。黄氏は彼のこうした性格上の特徴は、徹底的な利己主義的観点と関係があると考えた。

金正日の心理や性格は、唯一支配体制を完成する方向に形成された。即興的で無慈悲な習性は、多くの独裁者に似ている。だが、すべての人が首領のみを崇拜して頼り、従うようにしたのは、他の独裁者とまた異なる点だ。金正日は自分を中心にした人間関係以外はタブー視する。

家族主義、地方主義は宗派の温床

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金正日は家族主義や地方主義を宗派の温床と排撃して、同窓会をはじめとし、様々な形態の懇親会に全て反対する。甚だしくは、師弟関係や先輩後輩の関係も問いつめる。こうした極端な利己主義と支配欲が、首領絶対主義体制を完成する心理的な背景として作用したように見える。

金正日の周囲で生活した人々は、彼のことを「非常に緻密で抜け目がなく、人の心を見抜いて見るために嘘をつきにくい人」と評価した。決定の瞬間に即興的ながらも、状況把握能力がすぐれ、権力の維持に徹するのが見えるというのだ。

成恵瑯(ソン・ヘラン)は「金正日総書記は非常に危険な人物だが、単純に気が触れた独裁者と思ったら、他の一面の真実を見逃す」と証言した。

黄氏は「確かに金正日の独裁は苛酷で、彼の独裁能力は卓越している」「彼はまさにこの卓越した独裁能力で、自分の父親を台無しにして、北朝鮮社会を台無しにし、彼に追従する多くの純粋な人々を台無しにしている」と批判した。

さらに「今後、彼がこの卓越した独裁能力で、韓国と外国の多くの善良な人々を台無しにし、7千万の同胞に類例のない災難をもたらさないか憂慮せざるを得ない」と述べた。

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