北朝鮮で、17日の公式行事に参加した金正恩総書記の「老け顔」が話題になっている中、韓国デイリーNKは同国のある地方の幹部に電話取材を行い、話を聞いた。行事の映像を見たという幹部は、「健康が本当に悪いようだ」などと感想を述べた。
(韓国と北朝鮮は、直接通話することはできないが、北朝鮮の一部地域で使える中国キャリアの携帯電話を経由するなどして、こうした取材を行っている。)
以下に、幹部とのインタビューを一部抜粋する。
編集部 元帥様(金正恩氏)は行事の間、ずっと厳粛な表情だった。
幹 部 この日は本当に寒かった。顔が凍てついたように赤くなり、心配だった。しかし家族間の会話では、やつれた顔を見て『顔がヤバい』とささやき合った。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面編集部 健康問題を心配しているのか?
幹 部 全体的に顔色が良くないのは、病気だからではないかと話した。また、寒い中で薄い革コートを着ていた。側近たちの働きがおかしいという考えも浮かんだ。
編集部 だいぶやせたようにも見える。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面幹 部 本当に(体調が)良くないようだ。わが国では本気でダイエットに取り組む人はほとんどいないのだが、やせた映像を見て驚いた。
このインタビューだけで北朝鮮の世論を判断することはできないが、デイリーNKのほかラジオ・フリー・アジアなどの媒体を通じても、金正恩氏の健康状態を気にする庶民の声が伝えられている。
通常、北朝鮮当局はこうした「噂」が国内で出回ることを許さない。
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住民講演会などを素早く開き、「最高尊厳(金正恩氏)を冒とくする者は厳重な処罰を免れない」などと恫喝するのが普通だ。実際、2013年に李雪主(リ・ソルチュ)夫人に関する噂が広がったとき、2014年に金正恩氏の叔母・金慶喜(キム・ギョンヒ)氏が危篤であるとの説が拡散したとき、そして2017年に金正恩氏が異母兄の金正男(キム・ジョンナム)氏を殺害したとの情報が広がったときには、いずれも厳重な警告が発せられた。
果たして、北朝鮮当局は今回もこうした動きを見せるのか、あるいは見せないのか。