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米国ヘリテージ財団アジア研究センターのブルース クルリンノ(Bruce Klingner)東北アジア専任研究員は、米国の財政悪化が朝鮮半島情勢の不安定につながる可能性があると主張した。

米国の代表的な朝鮮半島専門家であるクルリンノ研究員は、東アジア地域情勢研究を目的に約1週間、韓国と日本を訪問。20日のデイリーNKとのインタビューで「今のところ米韓同盟は今までのどんな時より強力に構築されている」と述べながら以下のように警告した。

「韓国政府は米国の予算制限による潜在的問題に対して備えるべきだ。韓国の国会議員は米国の大規模予算削減による最悪の状況に備える準備をしなければならない」

米国防省は、債務限度上限のための議会と政府間合意により、今後10年間で4000億ドル以上の予算削減に直面している。クルリンノ研究員は「追加の削減が自動的に施行された場合、米国の対朝鮮韓半島政策は実質的に変化する」と予想。

同研究員は、韓国の国防改革が正しい方向に進んでいると評価しながらも、米国の変化は李明博(イ・ミョンバク)政権に冷酷な警告になると話す。また、「韓国一国では北朝鮮の武力挑発を放棄させる、防御する、あるいは反撃することは難しい」と憂慮する。

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北朝鮮の3代後継世襲に関しては、金正恩が権力を掌握してからも変化ではなく現状維持を選択すると見通した。

「米国政府は、金正恩への権力委譲に関して今後の北朝鮮状況がどう変化するのか見極めるために、多くの資料を得ようと努力している。また、後継過程の安定性に対しても憂慮を表していている。一部では、金正恩が金日成−金正日とは違った政策を展開するという見方もあるが、可能性は非常に低いだろう」と話した。

「金正恩がスイスで数年間の教育を受けたことから、中国のような改革開放や政治改革を受け入れるのではとの予想もあるが、多くの第三世界の独裁者達はやはり西欧で教育を受けている。父や祖父と同じ政策を取る可能性が高い」と展望した。

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また「金正恩は体系的に作られた人物だ。そのために彼が他の政策を追求するという楽観的な意見は現実的でない。 (実際に)彼は金正日と違う発言や政策を意見しているわけではない」と指摘。

「金正恩は祖父や父よりも低い支持率であることから、他の幹部の支持を得るために神経を遣うだろう。北朝鮮は改革を『外部からの伝染病』という認識を持っている。だから金正恩は開放せうず、むしろ攻撃的な対外政策を展開するだろう」と評価した。

ここ最近、議論されているロシア−北朝鮮−韓国のガスパイプライン事業と開城工業団地政策についても悲観的な見方を示した。

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李明博政府は、ガスパイプライン事業について自信を見せているが「他国のガスパイプライン事業で見られるように、こういった事業は多くの時間をかけて大規模な投資が成立するべきだ。北朝鮮の不安定性を考慮した時、周辺国家や投資家が今回の事業に参加することとは考えられない。今のところ事業は早く進行しているように見えるが成功するのは難しいだろう」と見通した。

この他、南北間経済協力次元で進行される開城(ケャ刀j工業団地事業もまた、昨年の二度の挑発以後、中断されなければならなかったと話した。

「李明博政府は、天安艦事件と延坪島砲撃事件への対応策として他の経済協力政策を中断したが開城工業団地も中断すべきだった。開城工業団地の目的だった北朝鮮の経済・政治改革、敵対的行為の穏健化などは全く達成されなかったからだ」と指摘した。

「今はこういう措置(経済協力)の時期ではない。しかし韓国はこれらの事業を中断しないだろう」と予想した。