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北朝鮮北東部の咸鏡北道(ハムギョンブクト)に、新たな病院建設計画が持ち上がった。複数の予防医学専門の病院を建設するというものだが、喜ぶはずの住民はもうウンザリという表情をしている。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋は、道党(朝鮮労働党咸鏡北道委員会)は、道内のすべての党、行政機関の責任者を集めた会議で、慶源(キョンウォン)郡に専門予防院を建設することについての党の決定書を採択、道内の工場、企業所に対して建設工事を割り振るなど、準備工事に着手したと伝えた。

今月10日に発表された計画によると、慶源郡内の谷に、結核予防院、肝炎予防院、腫瘍予防院、そして精神病院である第49号予防院を建設し、総合予防医学施設を作るというものだ。同時に、皮膚病予防院を増築する一方で、すべての予防院には外来病棟と入院病棟を建設し、道民の福利厚生の向上をはかるという。来年2月末までに準備作業を終え、氷が溶け始める3月から建設を始めるとのことだ。

予防院の建設が強調されるのは、北朝鮮の医療制度の4つの軸に予防医学が入っているからだ。残りの3つは無償治療制、医師担当区域制、高麗医学(漢方)だ。

道党は、医療専門家と技術設備、施設を整え、「10年後には整形外科手術で北朝鮮国内で最高の権威である咸興(ハムン)医学大学病院よりも人気の高く全国的に知られた病院に育成する」などと、理想を語っているとのことだ。

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また、咸鏡北道の住民が予防院で最高の人民医療満足奉仕を受けられるようにするとの決心を中央に報告したとして、「新型コロナウイルスにより人民の生活は苦しく、工場などの資材供給も円滑に行われないなど難関は一つや二つではないが、そんな中でも準備作業を進めなければならない」と、イルクン(幹部)らに要望した。

この話を聞いた地元住民は、一様に不満の声を上げている。まず、既に存在する病院をまともに機能させることが先決ではないかということだ。

各地にある病院、診療所には医療関係者はいるものの、当局のプロパガンダとは異なり、診察、治療を受けるにワイロが必要となる。医薬品は不足しており、患者やその家族が市場で購入することを強いられる。北朝鮮が誇る産婦人科委員、平壌産院ですら、ワイロを支払えなかったことで治療されず、死亡に至った事例が報告されているほどだ。

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「薬もなく治療対策もない病院が増えたところで何の意味がある」
「今の病院は単なる旅館と変わらず、医師は動かぬ石のようだ」(地元住民)

新しい病院を建てたところで、同じような状況が繰り返されるのは火を見るよりも明らか。まずは、今ある病院の正常化から手を付けよというのは、非常に理にかなった主張だ。

(参考記事:北朝鮮「産婦人科の総本山」で相次ぐ死…背景に医療の闇

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不満の種はそれだけではない。

「(病院を)国が建ててくれるわけでもなく、食べるものも薪も不足して苦労している道内の住民に、税金を負担させて建設しようというものだ」(地元住民)

北朝鮮の内閣は、首都・平壌に集中していたインフラ投資を地方にも拡大する方針を示しているが、その費用は地元住民から集められ、建設に動員されるのも地元住民なのだ。それなのに完成した病院をもって「元帥様(金正恩総書記)のおかげ」などと宣伝されるのだから、不満を抱くのは当然のことだろう。

(参考記事:金正恩の「豪華住宅」建設指示に、庶民は「まず腹いっぱい食わせろ」

コロナ鎖国の経済不況の下で、無茶な大規模病院建設計画が立てられたのは、そもそも北朝鮮が「ハコモノ=成果」という考えから抜け出せずにいるためだ。かくして、住民の血と汗と涙で建てられる巨大病院は、プロパガンダに利用されるだけで、中身はスカスカのままで放置されるという、今までの悪弊を繰り返すのだろう。

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