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脱北者の定着支援24時間コールセンターが開設されてから4ヶ月。毎晩電話をかけてくる「お得意様」もいる。この男性の相談者は既に有名人だ。酒が入った日には、かならず電話をして愚痴を語る。


「昼間の仕事でストレスがたまるんですよ。だから一杯やりました。外にいれば、誰でも彼でもつかまえて口論してしまいそうで…。だから、先生(センター員)につい甘えてしまうのです。外でそんなことをすれば警察沙汰じゃないですか。だったら電話で先生に不満を言うほうがよくないですか」

夜間に電話をかけてくるのは大半が男性だ。センター員のマ・スンヒさんは言う。

「女性は、寂しいと言って電話をかけてくる方はほとんどいないですね。比較的、男性の方が韓国に適応するのが難しいという感じを受けます」

「脱北者の男性たちが韓国人より若干能力が不十分なのは当然のことです。ただ、皆さん自尊心が強いのでそのことにも傷ついています」

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ペ・テシク北朝鮮離脱住民支援財団総合相談センター員も女性より男性の方が頑な姿勢を見せると指摘。

「北朝鮮で通じたことが韓国で通じないという事実を知った時に、男性たちは大きな衝撃を受けます。一方、女性は男性に比べてその衝撃が少ないですね」

■脱北者の男性に残る強い『家父長的意識』

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男性の場合は、家父長的な考え方が強いが、韓国では人のつながりが薄くなっているのでより困難を経験するとマさんは説明する。

「男性は、北朝鮮にいる時には所帯主として職場で仕事をし、給与を家に入れる役割をした。男が台所に入るのを恥かしいと感じる。妻を助けながら家事をしながらも、知人が来れば慌てて居間に飛び出して家事をしてなかったように振る舞うのが北朝鮮の男性達だ」

「でも、韓国の男性はもう家父長意識も持たずにソフトだ。このため女性たちは韓国で『北の男』と『南の男』を比べる事もある。脱北者の男性が韓国で家庭を作るのはなかなか難しいですね」

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『(社)新しく一つになった祖国のための集まり』のシン・ミニョ代浮熬E北者男性の志向方式の問題点を指摘する。

「北朝鮮の男性たちは、韓国社会の60〜70年代の男性の考え方を持っているようですね。家事や育児などを手助けするのは男として恥ずかしいという意識がある」

「反面、脱北者の女性たちは早めに順応する。身なりも韓国文化を早く吸収する。社会生活に積極的に参加し食事会にもよく行く。女性の遅い帰宅を容認できない脱北者の男性は不満を吐露して夫婦げんかになったりする」

■「寂しいと訴えるところがない…NGOなどから助けてもらわなければ」

男性の場合、悩みと困難を解決するにふさわしい場所がないことから、より困難を経験するとマさんは指摘する。

「男は涙を流してはいけないという固定観念がある。自身の苦しみを表してはいけないという意識があるせいか、女性よりもストレスがたまるようだ。彼らはこういった苦しみがあるので夜遅くにコールセンターに電話してくるのでしょう」マさんは話した。

シン代浮熬j性は人のネットワークを形成することが問題解決の道だと言う。

「女性は友人に会って食事会などでおしゃべりしながらストレスを発散するが、男性はそれをしない。彼らはあまり互いの交流がない。韓国人の男性は育つなかでネットワークがあるから問題がないが、脱北者には友人がいない場合も多い」

「様々なNGOや地方自治体などで脱北者の集いを斡旋するプログラムは多いが、ここに参加する男性たちも少数だ。女性であれ男性であれ、韓国で成功した人々は人的ネットワークが広く、人生に対する満足度も高い」

そして、韓国社会に定着するためには気持ちを開くという姿勢が大切だと強調する。

「男性はまず挨拶して、話すという努力が必要だ。また、男女とも強い自尊心を捨てなければならない。そして『脱北者』という自己対する不満感を持つべきではない」

最後にシン代表は、男性を専門担当する相談者の育成などの充実させるべきだと述べた。