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8日明け方、北朝鮮清津(チョンジン)の海辺。暗闇のなか9人の家族は小型の木造船に乗り込んだ。船にはGPSも救命ベストもない。音を出さないために櫓をつかって沖でエンジンを起動機動させ北朝鮮から離れた。

当初の目標は韓国だったという。しかし南・北海軍の警備が厳しかった為迂迴路を選び、日本を目指した。なんとか日本へ船がたどり着けるように願うしかない。燃料が切れれば…波に巻きこまれて船が沈めば…あとは運命に任せるしかない。

「韓国へ行きたい」という切実な思いと不安を抱きながら小さな木造船に運命を任せ死線を越えた。

13日、日本の海上保安庁巡視船は石川県箔o半島沖で9人の北朝鮮住民を救助。彼らは険しい波と長期間の漂流、そして南北海軍の監視をすり抜けて北朝鮮からの脱出に成功したのだ。今後は、彼らの意思にそって、数日内に韓国に入国して夢に見た自由を味わうだろう。

彼らが船に幼い子供まで乗せて脱出した理由は聞くまでもない。家族全員が北朝鮮でこれ以上生きていく希望を見いだす事ができなかったからだ。

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北朝鮮内部からの情報によると相変わらず生活事情は悪いという。さらに2009年の「貨幣改革=デノミネーション」以後は、相当数の中産層が財産を失り貧困層になってしまった。一部は借金まみれになってホームレスとなり、人生に疲れた家族は自殺という極端な選択をするケースもある。

一般民衆の経済的な問題だけでなく監視と統制はますます強くなっている。金正恩時代に入ろうとするなか、統治システムとして機狽オている人民班はより強化された。国境地帯は「暴風軍団」の容赦ない検閲の嵐が吹き荒れた。脱北を防止するために平安北道(ピョンアンブクト)には監視カメラが設置され、両江道(リャンガンド)、恵山(ヘサン)と白頭山(ペクトゥサン)、慈江道(チャガンド)、満浦(マンポ)地域などには鉄条網が設置された。

韓国人や日本人からは、なぜホームレスになって自殺をするのか?今回のように脱北すればいいのでは?との声も聞こえる。しかし、脱北こそ命をかけるほどの強い意志、そして条件が必要だ。今回、救助された北朝鮮住民たちの脱出装備とルートがそれをよく表している。

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中国が金正日政権を守っているという主張は事実だ。仮に中国が脱北者を強制送還しない場合、北朝鮮政権は1ヶ月も持ちこたえられないだろう。1989年9月、ハンガリーはオーストリアから脱出しようとする東ドイツ人を国境で逮捕しなかった。そして2ヶ月後、ベルリンの壁は崩壊した。

中国の立場は短期間で変わらないだろう。しかし、リビアの例を見る時、北朝鮮内部で反金正日の流れが大きくなれば中国も態度を変えざるをえない。北朝鮮住民たちがその道を歩む事ができるような支援をつくり出すべきだ。

食糧など多様な経済支援が議論されることは必要だだが、北朝鮮の全ての住民の立場から見ると制限的な効果に終わらざるをえない。最も根本的で切実なのは、彼らが自らの手で体制を変化させる力を持つように支援する事だ。

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今こそ、大韓民国が2,700万の北朝鮮住民を生かすことが戦略を具体的に講じる時だ。