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愛する妹よ、元気ですか?手紙であなたの安否を尋ねるのは初めてです。私たちが離れ離れになってから、いつのまにか7年が過ぎましたね。今では綺麗なお嬢さんに成長したでしょうね。

とても会いたいです。長い間会っていないので、実は手紙を書く事すらぎこちなく感じます。また、何て言えばいいのかも分からない…あなたの事は母を通じて聞いています。最近は生活が苦しいという話を聞いています。

2年前、母が韓国から送金したお金が貨幣改革(2009年11月30日)が実施されたアオリを受けて、一日で紙くずとなったと聞いた時、胸が痛みました。とても大切なお金だったのに…。あのーお金は母が生活費を切り詰めて、あなたのために貯めたお金でした。その知らせを聞いた日、母は泣き続け、私も涙が止まらなかった。

数日前に母と電話をした際に、物価が高すぎて生活が大変だと言っていたそうね。母がいっそ韓国にくればいいと言ったのに対して、地方代議員選挙(7月24日)以降から国境警備が強化され、脱北で捕まった家族全員が山間部に追放されるほどで、怖くて出来ないと伝えたらしいね。

なぜ、最初から私だけを韓国に連れて行き、あなただけを北朝鮮に残してきたのかと、母にキツく当たったと聞きました。何故、あの時連れて行かなかったのか。もっと、早く呼ばなかったのかと…。電話の後、母は布団にうずくまって「ゴメンネ、私が悪かった」と声を潜めて泣いていた。今も、母はあなたへの罪悪感を感じています。

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私も垂オ訳なく思っています。あなたが北で苦労しているというのに、私はここで大学にも通い恋愛もしているから。だからと言って、母をあまり恨まないで。あなたも知っているでしょ。あの時、どちらか一人を選ばなければならなかったと言う事を。見知らぬ土地で女手ひとつで子育てをするには、年齢が高い私を選ぶしか無かったという事を。

妹よ、私たちを許して下さい。そして、一日も早く韓国に来て欲しい。市場で食品売りをして生活をすると言っていたわね。母に多額の送金をお願いしていたでしょう?母はあなたの為になら何でもするでしょう。でもね、そっちで暮らすよりも、韓国に来て新しい生活を始める方が数千倍もましだと私は確信しています。

なぜかって?何よりもここには自由があるからです。この自由は、北朝鮮では享受することも想像すらもできないから。保衛員のご機嫌を伺って商売をしているが、ここでは他人に害を与えない限り、やりたいことを思う存分する事が出来、希望がある。

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市場で商売すれば、食べてはいけるでしょう。しかし、それ以上はないんじゃないの。何故生きているのかという、最も根本的な問に答える事も出来ない生活じゃない。私もここに来て気付いた事なんだけど、人は食べるために生きるんじゃない。人間としての価値を実現するために生きるんだ。私も、私だけの価値を実現するために一生懸命勉強して生活しています。

秋夕ですね。昔は、家族4人で祖父母のお墓参りに行ったね。私はあの時が一番幸せだったよ。まだ鮮明に覚えているよ。いつになれば、私たちはまた一緒に暮らせるのだろう。あなたと父に伝えたい事が沢山あります。伝える事が出来る日まで、健康でいて下さい。

会いたいです。そして、愛しています。秋夕の月に願います。

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