7日、(社)北韓人権情報センター付設・北朝鮮人権記録保存所が発刊した【北朝鮮人権白書2011】によると、地域別の頻度を計算した所、咸鏡北道(44.7%)、中国(17.6%)、咸鏡南道(7.5%)の順で人権侵害が多く行われたことが分かった。
咸鏡北道で人権侵害事例が多い理由は、脱北の発生頻度が最も高い地域であるという点と、証言者(目撃者)が咸鏡道に居住する割合が高いからである。
平壌では50件(2.6%)の人権侵害の情報が収集されたが、移住および住居権の侵害、個人の尊厳と自由権の侵害、生命権、労働権などの類型が高かった。
事件の原因別では、国境管理犯罪(39.3%)、政治犯(16.5%)、刑事犯(15.8%)、生活師範(10.3%)、連座制(8.2%)、経済犯(2.3%)の順だった。
国境管理犯罪の場合、1990年代以前は発生頻度が非常に低かったが、1990年代に入ってから急激に高まった。特に、2000年以降に発生した事件は83.6%を占め、絶対的な割合を示した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面また、生存権の侵害は、「苦難の行軍」の時期の1990年代に集中している。これは、1990年代の北朝鮮の食糧事情が非常に劣悪で、大規模な餓死者が発生したことを示している。しかし、生存権の侵害は、2000年代に入って急減し、住民の食糧事情が改善されたことを推察させる。
今回の白書は、2011年8月までの北朝鮮の人権侵害事例の累積量を3万5330件と集計している。 1950年から昨年8月までの人権侵害の累積量は2万2346件で、この1年間で1万2984件が増加している。
白書では、2002年から2011年までの脱北者6400人を対象にインタビューとアンケート調査、2005〜2010年の間に発刊された資料を元に作成された。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面北朝鮮人権記録保存所のユン・ヨサン所長は、デイリーNKとの通話で「北朝鮮の人権侵害事例の最新情報を得るために、昨年に脱北者のインタビュー、資料調査などの作業を大幅に増やした」と語った。
「北朝鮮の人権侵害が発生した時点と、我々が調査を行う時点の間に時間的な空白が常に存在してきた。今回発刊された北朝鮮人権白書は、最近脱北した方を対象にインタビューを行っており、この時間的な空白を埋めることができると期待している」と付け加えた。