昨年の韓国政府が発表した「5.24対北朝鮮制裁措置」の施行以後、北朝鮮の対中貿易依存度が急増している。
ペ・ジョンニョル輸出入銀行選任研究委員は「南北関係展望と課題(主催:大韓商工会議所)」セミナーで、「北朝鮮は韓国との交流・協力がなくなったことによる損失を補填するために『鉱物性生産品』と『縫製衣類』分野の対中輸出を積極的に拡大した」と明らかにした。
同研究員は、「2011年上半期の北朝鮮の対中輸出額は、10億5653万ドルで前年の同時期に比べて203.6%増加した。反面、対中輸入額は14億5195万ドルで前年に比べて54.6%増加と対中貿易赤字も大幅に縮小した」と説明した。
2011年に北朝鮮が中国に輸出した主要品目は「石炭」と「鉄鉱石」であり、最近では中国、遼寧省を窓口にした「縫製衣類」分野など、軽工業製品の輸出が躍進していることも明らかになった。
ペ研究委員は、南北経済協力政策の変化に対しては「核問題、天安艦事件などの解決も必要だが、ここ最近の中国の『東進政策』やロシアの『南下政策』が進む状況下で、北朝鮮の改革・開放意志が確認されれば『5・24措置』は徐々に緩めるべきだ」と主張。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面また、北側を動かすテコを確保するためには「政治・軍事・安保的影響力と経済交流・協力的影響力間の均衡を追求する必要がある」と強調した。
具体的には▲韓国企業の羅先(ラャ刀j地域現場訪問▲経済性確保を前提に釜山(プサン)-羅津(ナジン)間の海上航路再開推進▲平壌(ピョンヤン)・南浦(ナムポ)地域に対する委託加工交易の許容などの措置を検討すべきと主張した。
パク・ジョンチョル統一研究院統一政策研究センター所長は、「最近の統一部長官交替によって南北関係が対話局面に変化しようとしている。天安艦・延坪島問題、金剛山観光事業問題など南北が当面した懸案を解決し、新しい方向を模索するためには実務会談ではない南北高位級会談が開催されるべきだ」と話した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面同所長は対北政策について「急激な変化よりは、最近の南北、米朝間非核化会談の結果と今後の6カ国協議の進行状況を注目しながら慎重に対応していくことが必要だ」と説明した。
一方、一部では「5・24措置」が北朝鮮の経済に実質的な打撃を与えられなかったとの批判もあるが、ユン・ミンホ統一部南北経済協力課長は「北朝鮮の2010年対中貿易の主力は『無煙炭』だった。『無煙炭』は火力発電所で多く使われる重要な戦略物資であり、北朝鮮はこれを売ってでも現金を確保しなければならないほど切迫した状況だ」と実質的な効果があったことを説明した。
同時に「昨年の主要輸入品目は、食糧と肥料だった。これも『5・24措置』が北朝鮮に打撃を与えたからだ」と付け加えた。