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朝鮮半島の統一が必要だと考える韓国人の割合が初めて半分を切ったという世論調査の結果が発表された。

ソウル大学統一平和研究院は、満19歳以上の韓国国民1200人を対象にして、「2021統一意識調査」を行い、結果を5日に発表した。

統一の必要性についての問いに「非常に必要だ」「若干必要だ」と答えたのは44.6%で「あまり必要ない」「全く必要ない」と答えたのは29.4%だった。

「必要だ」と答えた人の割合は、南北関係の状況に応じて増減を繰り返す傾向にある。

第2回南北首脳会談の開かれた2007年の調査で63.8%に達していたが、その後減少に転じ、2010年に59.0%に回復するも、その後再び減少傾向となり、第3〜5回南北首脳会談が開かれた2018年には59.8%に回復、以後減少した。年齢別に見ると、若年層で否定的な回答が多く、20代は42.9%、30代は34.6%だった。

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一方、「脱北者に対して親密感を感じるか」という問いに対しては27%が「そうだ」と答え、2019年の21.2%より上昇した。年齢別に見ると、20代が最も低かった。

「韓国政府が脱北者をさらに支援すべきか」という問いには、「同意しない」が58.7%で、「同意する」の41.3%を上回った。

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若年層ほど脱北者の受け入れ、支援に否定的な姿勢は、難民の受け入れに対する姿勢とも相通ずる。

昨年12月に国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と世論調査機関の韓国リサーチが満18歳以上の韓国国民1016人を対象に行なった、難民の受け入れを問う世論調査で「賛成する」と答えたのは全体の33%だった。

年代別に見ると18〜29歳が20%で最も低く、50〜59歳、60歳以上が43%で最も高いという結果になった。反対する理由として経済的負担を挙げた人が最も多く、若年層失業率の高さなど経済的に余裕のない若い世代ほど排外主義、排他主義的な傾向を見せている。

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また、韓国のネット上で蔓延るフェイクニュースの影響も考えられる。韓国政府系のシンクタンク、統一研究院が今年3月に満18歳以上の韓国国民1003人を対象に行なった統一意識調査で、北朝鮮や文在寅政権の統一政策に関する8つのフェイクニュースを挙げて、嘘かどうか見抜けたかを問うた結果、18〜29歳で最も見抜けなかった人が多かったという結果が現れた。

(参考記事:北朝鮮で広がる「統一懐疑論」と韓国国民の「統一への冷めた見方」

ただ、全体的には脱北者に対する意識と同じく、肯定的に考える人が増えつつある。2018年に行われたイエメン難民の受け入れを問う世論調査で「賛成する」と答えたのは24%で、2年間で9%賛成が増えた。

その一方で、「反対する」が56%(2018年)から53%(昨年12月)とあまり大きな差がなく、理解が進む一方で、考えを変えない人が多い現状も浮かび上がってきた。