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統一、朝鮮半島の未来に影響を与える変数は多いが、この中で中国の態度以上に重要な物はなさそうだ。最近、中国は数百年以上の危機を克服し、超大国の道に入った。否が応でも、韓国は中国の影響を強く受けて生きなければならない。

朝鮮半島の統一を検討する際にも、周辺国の中で中国の立場が最も重要である。最近では、韓国の専門家は中国が統一を望んでいない状態では、統一を成し遂げることはできないと主張する。

しかし筆者は、この主張には同意しない。中国が朝鮮半島統一を望んでいないのは事実だが、韓国は適切かつ有効な外交を通じて、このような中国の拒否感を克服できると考えている。

筆者は、前回のコラムで論じたように、段階的・漸進的な統一は非常に望ましいと考えるが、可能性が低いシナリオである。北朝鮮政権は、改革開放が体制を脅かす政策だと考えており、北朝鮮指導部が中国式の改革を導入する可能性はほとんどない。金正日体制が徐々に進化するよりは、革命の混乱の中で崩れる可能性がはるかに大きい。

残念ながら、北朝鮮の革命は暴力的な性格を帯びる可能性が高い。親金正日勢力と呼ばれる特権階層は、システムが崩れると未来がなくなると思うので、権力を自発的に放棄するよりも自身の特権と権力を維持するために戦う。言い換えれば、北朝鮮で近い将来に勃発する危機は、暴力と混乱を招く可能性が非常に高い。

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この混乱に陥った際の韓国の対応はどうだろうか? 90年代初頭までは対応は非常に明確だった。自国が朝鮮半島で唯一の合法的な政権と主張する韓国政府は、この機会を見逃すことなく北に進出し北朝鮮と統一しただろう。

以前なら、韓国が軍を動員し金正日勢力を制圧する事は、国内で政治問題にすらならなかった。しかし、最近は韓国社会がこれを決定する意志がないように見える。

韓国人は口をそろえて統一を望むと主張する。しかし、(特に、青年の中から)統一への希望が消えているのが周知の事実である。歳月が経つに連れ、韓国人は北朝鮮を近いうちに統一する国土と考えなくなり、その他の国家として認識している傾向がある。

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世論調査でわかるように、韓国の若者は統一コストへの懸念が高く、統一に金を支払う意志があまりない。統一のためにより高い税金を支払う意志がない青年たちが、統一のために戦う意志が全くないということは、明らかな事実だ。

もちろん、統一の必要性に公開的に挑戦する勢力や人物はいない。統一の正当性の次元で、金正日政権が崩壊し北朝鮮住民が即座にすぐに統一を要求するならば、韓国社会のエリートはこの要求を受け入れざるを得ないだろう。テレビで太極旗を翻して「統一万歳」を叫ぶ平壌市民たちの姿が浮黷黷ホ、統一費用を躊躇う韓国人も統一を支持するだろう。

問題は、この可能性がそれほど高くないという点だ。金正日政権崩壊後、北住民のほとんどは太極旗を翻して大韓民国とに一日も早い統一を要求するだろう。韓国は物質的な豊かさと個人の自由の象徴となっているからだ。

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しかし、国民の要求屈服することなく、権力層らは分断体制を保護しようと戦うだろう。韓国軍が北に進出すれば、花束を投げる人々だけでなく、手榴弾を投げる人もいるだろう。

混乱と暴力的な対立に陥っている北朝鮮に、大韓民国は軍を送る意志があるだろうか?現段階で質問に正確に答えることは出来ないが、最近の韓国社会の傾向を考えると、望みは薄い。個人的には、非暴力的な革命なら派兵を行えるが、暴力的な革命の場合には不可能だと思う。

筆者は、北朝鮮の危機をチャンスととらえ朝鮮民族の未来のために利用すると、非常にいいと思う。犠牲と困難があるにもかかわらず、これらの決定は統一韓国が強固な基盤を一日も早く構築し、人々の生活を向上させる方針だと思う。しかし、現状と最近の傾向を冷静に分析すれば、韓国政府には意志がないようだ。

しかし、韓国が何もしなければ、中国は深刻化する北朝鮮危機を座視するわけにはいかなくなる。多くの韓国の学者は中国を新帝国主義国家と規定し、中国が北朝鮮を衛星国にする夢を見ていると主張している。このような見方は、特に保守派に属する人々が多い。

しかし、中国のアナリストや専門家と頻繁に会う私は、全く違う考えを持っている。もちろん、中国に膨張主義傾向が強いことは否定し難い事実だ。しかし、中国の立場から見れば、北朝鮮への介入は政治的、財政的に重い負担でしかない。中国が北朝鮮を衛星国とすれば、相当な副作用が伴うだろう。

初めに、韓国で反中国思想が広まるだろう。今、韓国が敵対感を感じる国は日本だが、こうなったしまうなら、左右を問わず最も嫌われる国になるだろう。米韓同盟も強化され、日韓同盟までも考えられる。

第二に、北朝鮮住民も親中衛星政権を好む事はないだろう。親中政権の改革開放で生活向上の恩恵を受けたとしても、北朝鮮住民は感謝しないだろう。

我々は共産圏の歴史から、非常に重要な前例を発見出来る。1960〜70年代のソ連は、東ヨーロッパに多くの衛星国家を生み出した。少なくないソ連からの支援にもかかわらず、市民らは反ソ連、反社会主義に目覚めていった。

第三に、北朝鮮への関与は、中国の外交官が重視する「中国の平和な登場」に反する。中国の膨張主義に対する懸念が高く、近隣諸国は北朝鮮の結果によって関係が左右されるだろう。結果次第では、米国との関係強化などに繋がるだろう。

中国の立場から冷静に分析すれば、北朝鮮への介入はあまり望ましいものではない。しかし、北朝鮮の混乱時に韓国が何もしないならば、中国が致し方なく介入を試みる可能性が高い。