「拷問の苦しみを理解する」北朝鮮の若者が残した遺書の凄絶な中身

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北朝鮮の各地で、韓流取り締まりの嵐が吹き荒れている。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)茂山(ムサン)では、韓国映画「工作 黒金星と呼ばれた男」や、日本でも人気を集めた「愛の不時着」のモノマネをした若者が公開裁判にかけられたと伝えたが、同じ道内の鏡城(キョンソン)郡では、K-POPのCDの貸し借りを巡って、前途有望な若者が自ら命を絶つという悲劇が起きた。現地のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

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鏡城郡の社会主義愛国青年同盟の若者たちは、大雨被害の復旧作業、青年節のイベントなどに動員され、遊ぶ暇が全くなかった。まもなく本格的な秋の収穫が始まるが、それに動員される前に思いっきり遊ぼうと、先月中旬のある日、うち一人の家に集まって、K-POPのCDをかけていた。

おそらく歌って踊って大騒ぎしたのだろう。それを聞きつけた人民班長(町内会長)が保衛部(秘密警察)に通報し、その場にいた全員が逮捕された。

取り調べで保衛部は、CDの出どころを執拗に聞いたが、いずれのメンバーも「知らない」としらを切るばかり。業を煮やした保衛部は、彼らをひどい拷問にかけた。

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実はこのCDの持ち主は、うち一人の友人で、パーティの場にいなかったため難を逃れた。CDを借りた方の友人は、持ち主に類が及ぶことを恐れ、1週間にわたる拷問にも口を割ろうとしなかったが、ひどくなる一方の拷問に耐えかね、持ち主の名前を告白してしまった。

(参考記事:手錠をはめた女性の口にボロ布を詰め…金正恩「拷問部隊」の鬼畜行為

持ち主はしばらく身を隠していたが、結局は恐怖に耐えかねて自ら命を絶った。「友よ、君が僕の名前を出したとしても理解する。どれだけ苦しかっただろうか。充分に理解しているから元気でいてくれ」という遺書を残して。

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彼が死んだとの知らせを保衛部の留置場で聞いたメンバーは、保衛員3人に向かって怒りをあらわにしたという。

「出どころを話せば彼も許してやるというから話したのに、自分のせいで彼は死んでしまった」
「保衛員は、自分たちより南朝鮮(韓国)の(コンテンツが入ったUSB)メモリ、DVDをよく見ているくせして、自分たちを取り調べる資格があるのか」

彼は、K-POPを聞いたことに加え、保衛員を冒涜した罪まで加えられ、管理所(政治犯収容所)行きになるかもしれないという噂が流れている。地域住民は「保衛員や幹部の方が南朝鮮のDVDを露骨に見ているのに、若者を捕まえている」と激しく非難したとのことだ。

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韓流ドラマや映画を見た、K-POPを聞いたというだけで逮捕され、労働鍛錬隊や教化所(いずれも刑務所)送りになる若者が相次いでいる。また、上述の通り、取り締まる側も韓流に夢中になっている。

これは、韓流がいかに北朝鮮の人々の間に根付いているかを示すと同時に、当局がいかに取り締まりや思想教育に躍起になっても、その欲求を満たす何かを当局が提供しない限りは、決して韓流が北朝鮮の地から消えないことを表している。

(参考記事:【北朝鮮国民インタビュー】若者への思想統制強化は反発を呼ぶだけ